高齢者施設や障碍者施設も大注目のアニマルセラピーとは?
介護の資格の湘南国際アカデミーでは、アニマルセラピードッグの「えのきだけ」(プードル7歳オス)と「ももんが」(プードル3歳メス)が休み時間に教室に遊びにきます。
受講生さんは「かわいい~!」「抱いてもいいですか?」「癒される~」と大変喜んでくださいます。犬や猫を撫でるだけで血圧が下がるという報告もあるようですが、アニマルセラピーは「人」のストレスを軽減し豊かな感情を引き出すセラピーとして、最近大変注目されています。
「えのきだけ」や「ももんが」は教室以外でも高齢者施設や障碍者施設でアニマルセラピー活動を行っています。二匹が所属するNPO法人日本アニマルセラピー協会鎌倉本部の活動と合わせて、その様子をお伝えします。
セラピードッグたちについて
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エド
バーニーズマウンテンドッグ 4歳 メス
セラピー歴2年
シャイですが人好き。訓練に時間を要しましたが現在は大活躍中。
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リン
グレートピレニーズ 3歳半 メス
セラピー歴2年半
のんびり動じない性格。ご高齢者だけでなく子どもも大好き。
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シータ
バセットハウンド 5歳半 メス
セラピー歴4年半
おっとりした性格。ベッドで添い寝のセラピーが得意。
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ひより
ゴールデンレトリバー 4歳 メス
セラピー歴3年
穏やかで優しい性格。抜群のお仕事力を発揮するしっかり者。
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ごご
ゴールデンドゥードル 3歳 オス
セラピー歴2年
人が大好き・やんちゃな性格。ゴールデンレトリバーとスタンダードプードルのミックス犬。
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福助
ウェルシュコーギー 8歳 オス
セラピー歴2年
明るく人好き。お散歩や動きのあるセラピーが得意。
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えのきだけ
トイプードル 7歳 オス
セラピー歴3年
やさしくて人が大好き。誰にでも抱っこしてもらうのが得意。
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ももんが
トイプードル 3歳 メス
セラピー歴6か月
やんちゃでマイペース。小さいけれど4匹の子育てをしたお母さん。
セラピードッグとして活動するようになったきっかけ
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上記中3頭は、当協会の訓練所出身。他の子たちは、元々一般の家庭犬。当協会の認定試験に合格して活動しています。現在は全てのセラピードッグが家庭で暮らしています。福祉活動に参加したい、自分の愛犬と活動してみたい、といったオーナーの動機からセラピードッグとして活躍している子がほとんどです。
セラピードッグになるための訓練について
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家庭犬における基本の服従訓練が必ず必要です。
座れ・伏せ・待て・来い・ハウス・決められた場所での排便排尿・歩行
上記の服従訓練に加え、下記のような犬になるように訓練します。
体中の触れ合いができる(特に耳・マズル・足・尾・尻等を触られても過剰に反応しない)・無駄吠え、噛みぐせがない・音や人に過剰に反応しない・人が好き
活動ペース・活動場所
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日本アニマルセラピー協会・鎌倉本部では、特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・デイサービスなどの介護施設様への訪問と、精神障害者支援施設・病院の精神科デイケアへ定期的に訪問しており、月に約7~10件のペースで活動しています。その他に、個人宅への訪問、地域のお祭りやイベントへの参加(ケアプラザ様が主催する福祉祭り・企業が主催する福祉イベント・障害者支援のチャリティイベントなど)や、障害者雇用を推進する企業様での講演とセラピー体験を行っております。
セラピードッグに会った時のご利用者様の反応など
なによりもまず、みなさんが笑顔になります。会話も弾むので、どの訪問先でも賑やかで和気あいあいとした雰囲気になります。体が不自由な利用者様が、セラピードッグには触ることができたり、杖をつきながら犬と一緒に歩いてリハビリに似た行動をとったりすることがあります。
アニマルセラピーはご利用者様へどのような効果があるのか
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一番の効果は会話の促進です。セラピードッグが側にいるだけで、私たちや職員様だけでなく利用者様同士の会話も弾みます。日頃お部屋にこもりがちな利用者様が話したり笑ったりして、自然に無理なく声を発するきっかけになっています。またリラックス効果が得られたり、情緒の安定につながる方もいます。
効果の事例
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高齢者施設に入所されていた90代の女性
個人セラピーをご希望され、毎週1回訪問。入所時から施設になじめず、職員様に手をあげたり言葉遣いが荒く、介護も素直に受け入れてくださらない方でしたが、訪問から3ヶ月ほど経過した頃から少しずつ状態が安定してきた、とお医者様と職員様から聞かされました。セラピー中も犬を叩こうとしたり会話もほとんどしてくださらない状況から、ポツポツと昔話を話してくださったり、犬にも優しく接してくださるようになりました。
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特別養護老人ホームの様子
年4回訪問している施設様。初回から毎回参加してくださる利用者様は、セラピードッグたちの名前を覚えていたり、前回はこうだったよね、と様子を思い出してお話してくださったりします。逆に私たちも利用者様のお顔を覚えているので、親しく話が弾みます。いつも参加していたのに体調が悪くお部屋に残っていた方のところに、1頭連れて訪問したところ、とても喜んで下さり、次の回はしっかり皆さんと一緒に参加しておられ、生活の励みにもなっているだなと嬉しくなりました。
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精神障害者支援施設の様子
約2年半、毎月2回訪問しており、毎回10名前後の利用者様が参加。
最初はほとんど会話がなく静かなセラピーでしたが、1年ほど経った頃から私たちに病気の状態や発症したきっかけ、現在の心境など心の内を話してくださる方が数名出てきました。
職員様によると、セラピードッグと一緒にいると気持ちが落ち着くので相談がしやすい・冷静に話しやすい、とのこと。毎回同じ職員に相談するよりもセラピードッグと一緒にいる私たちに話をすることも良い傾向とのこと。たった1時間のセラピーのために自宅を出てくるのも、ひきこもり防止になっているようです。また対人恐怖症や不安症などで自宅から施設への行き帰りはヘルパーがいないと無理だった男性は、アニマルセラピーに参加するようになってから、まず帰宅が一人でできるようになり、最近では行きも一人で来ることができるようになりました。
アニマルセラピーに参加したいから頑張っています、とご本人が教えてくださいました。
今後の目標・夢
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より多くの施設に訪問ができるよう、セラピードッグの育成・セラピードッグを扱うアニマルセラピストの育成に力を入れていくのと同時に、アニマルセラピーをもっと身近に体験したり、施設に取り入れていただけるような提案活動を展開していきます。
セラピー効果を実感するためには、1回限りではなく継続的な訪問が必要ですし、利用者様の身体・精神状態は様々ですので、ただ触れ合わせて差し上げるのではなく、それぞれの利用者様に適したセラピーが実施できると理想的だと思います。またアニマルセラピーは障害などの有無は関係なく、世の中の動物好きな方全てに有効であると考えます。
介護している側・ご家族・社会で働く人々などが心身共に健康であるために、もっと幅広い現場で気軽にアニマルセラピーを取り入れていただけるよう、普及活動に努め、現在活動中のセラピードッグたちを、もっともっと活躍させてあげたいと願っています。
内閣府認証特定非営利活動法人法人 日本アニマルセラピー鎌倉本部
〒248-0035 神奈川県鎌倉市西鎌倉4-20-11
☎:080-4121-3112
FAX:0467-31-1079
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3Kなんてまっぴらごめん。
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