ケア資格ナビ> 介護職員初任者研修ガイド
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更新日:2021年2月9日
これまで介護職員初任者研修を修了するには、必ずスクールへ通学しなければならないと定められていました。
しかし、昨今のコロナウィルス感染症の影響を受けて、一部の都道府県において全て通信学習で修了できる講座が開講され始めました。
お近くに開講スクールがある方は、この機会にぜひ受講をご検討ください。
介護職員初任者研修は、介護職員として働く際に必要な基礎的な知識や技術を修得できる資格です。以前にあった「ホームヘルパー2級」に相当する資格で、介護の初心者向けの資格として位置付けられています。
初任者研修は、介護についてまったく知らない人でも理解しやすいようにカリキュラムが構成されており、介護の基本的な知識と技術を身に付けられる資格です。 学歴や年齢などの受講要件もなく最短1カ月で取得が可能で、介護資格で最も取得しやすい資格です。
資格は一度取得すれば全国どこでも通用し、就職先に困ることもありません。最近では家族の介護のために受講する人や子育てが落ち着いた人、退職後のセカンドキャリアとして受講する人もいます。
初任者研修のカリキュラムは、ホームヘルパー2級にあった施設実習がなくなり、代わりにスクーリングの時間が増えています。ホームヘルパー2級にはなかった修了試験がありますが、試験は受講内容の確認レベルのもので、ほとんどの人がクリアできる試験です。昨今の認知症患者の増加を反映して、「認知症ケア」の科目も追加されています。
ホームヘルパー2級が訪問介護を行うことを想定していたのに対し、初任者研修は訪問でも施設でも働けることを想定した内容になっています。
受講要件がなくどなたでも取得できる介護資格には、初任者研修の他に実務者研修があります。
初任者研修は研修時間が130時間で実務者研修の450時間よりも少なく、短期間で修了することが可能です。初任者研修は実務者研修と違い、介護福祉士の受験資格にはなりませんが、実務者研修を受講する際には初任者研修で学習した130時間分は免除されます。
また、研修時間が短い分だけ費用もお安くなっています。
初任者研修は実務者研修と比べて内容もやさしく取得しやすい資格ですが、介護の基本はしっかり学べますので、これから介護の仕事をはじめる人はまずは取得しておきたい資格です。 無資格で介護の仕事をはじめたばかりの人、家族や身近な人に介護の知識や技術を役立てたいという人にもおすすめです。
実務者研修よりも研修時間が短く費用も低めですので、短期間で費用をあまりかけずに資格を取得したい人にもちょうど良い資格です。
初任者研修を取得するメリットはたくさんありますが、介護の実践方法を身に付けられ、就職にも困らない点は大きなメリットと言えます。 そのほか取得のメリットをまとめてみましたので、確認してみましょう。
介護施設に就職する際には必ずしも介護の資格は必須ではありませんが、実際の求人を見ると「初任者研修以上の資格」を条件としているところが少なくありません。 不景気の際でも介護は必要不可欠で仕事がなくなることもなく、資格を取得していれば安定して一定の収入を得られます。また、 40代以降からでも正社員を目指すことができ、長く活躍できます。
どなたでも取得できる資格のなかで、初任者研修ほど就職・転職に直結する資格はほかにはほとんどないと言えます。
介護職員の給与は夜勤の有無や雇用形態によって幅がありますが、資格があるかどうかによっても変わります。初任者研修の資格を持っていると資格手当が付くこともあり、無資格者よりも給与が優遇されます。
パートの時給も、初任者研修保持者が無資格者よりも50円以上高く設定されている職場もあります。
介護職員初任者研修 | (平均月給)301,210円 | (勤続年数)7.3年 |
---|---|---|
介護職員(無資格) | (平均月給)275,920円 | (勤続年数)5.5年 |
参考:厚生労働省 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
国は介護職員が目標を持ちながら長く働き続けられるように、キャリアパス制度を提示しています。キャリアパスとは、「初任者研修→実務者研修→介護福祉士」のように、段階的にキャリアアップを目指せる道筋のことです。
経験や能力、資格に応じてキャリアアップをしていくことで、介護の仕事に対するモチベーションを保つことができ、取得資格に応じて給料も上がります。
介護業界で長く働きたい人は、キャリアアップの第一歩としてまずは初任者研修を取得、その後に実務者研修を受講するとスムーズに介護福祉士を目指せます。
将来的に介護福祉士国家試験を受験する際には、3年以上の実務経験とともに実務者研修の修了が必要です。初任者研修を修了していれば、実務者研修の450時間以上のうち130時間分が免除となり、約6カ月間の受講期間が4カ月程度で済みます。
初任者研修では介護の理念を学び、安全で適切な介護を行うための知識と技術を学びます。介護の仕事に興味はあっても自分にできるかどうか心配な人も、正しい知識と技術を学ぶことで介護の仕事を不安なくスタートできます。
家族の介護をしている人も、初任者研修で正しい介護方法を知ることで、肉体的・精神的負担が軽くなることもあります。
家族や自分自身が介護状態にできるだけならないように、初任者研修で学ぶ介護予防の知識を役立てることもできます。
訪問ヘルパーとして働くためには、初任者研修以上の介護資格が必須です。初任者研修は介護資格の中で一番取得がしやすい資格ですので、訪問ヘルパーとして働きたい人は初任者研修の取得が訪問ヘルパーになる最短ルートになります。
施設入所への待機人数も多く在宅介護の需要も高まっていることから、訪問ヘルパーはつねに求められている職種です。
スクールが開催している講座を受講し、全課程修了後に修了評価に合格すれば資格を取得できます。ほとんどのスクールの修了評価は筆記試験の形式です。
受講資格 | どなたでも受講できます |
---|---|
開講時期 | 毎月開講 *スクールによって異なります。 |
受講期間 | 通信・通学併用講座:1~4ヵ月程度 通学講座:1~2ヵ月程度 *スクールによって異なります。 |
初任者研修では、介護をする際に大切にすべき「人の尊厳や権利」など、介護における理念から学びます。
カリキュラムは「講義」のほか、実際に身体を動かしながら技術を学ぶ「演習」で構成されています。科目は全部で10科目あり、科目によっては学習時間の一部を通信学習で学ぶことができます。すべての過程を修了すると、修了評価(おもに筆記試験)が行われます。
項目 | 学習時間 | 通信学習可能な上限時間 |
---|---|---|
1. 職務の理解 | 6時間 | ― |
2. 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 | 7.5時間 |
3. 介護の基本 | 6時間 | 3時間 |
4. 介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 9時間 | 7.5時間 |
5. 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 | 3時間 |
6. 老化の理解 | 6時間 | 3時間 |
7. 認知症の理解 | 6時間 | 3時間 |
8. 障害の理解 | 3時間 | 1.5時間 |
9. こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 | 12時間 |
10. 振り返り | 4時間 | ― |
合計 | 130時間 | 40.5時間 |
全課程修了後に1時間の修了評価(おもに筆記試験)が行われ、必要な知識が習得できているかを確認します。それぞれのスクールで実施されますので、試験問題はスクールによって異なります。
初任者研修を開催しているスクールの講座内容は、基本的にはどこも同じです。選ぶ際には講座内容以外の部分を比較検討することになります。 こちらで選び方のポイントを確認してみましょう。
初任者研修は130時間のうち40.5時間は通信で学ぶことが可能ですが、残りの約90時間はスクーリング(通学)になります。日にちにして15~17日ほど通学することになりますので、自宅や職場から通いやすいか、車で行けるかなど立地を確認して選びましょう。
受講費用は立地やスクールのサポート制度、キャンペーンなどによって変わります。単純に費用だけを比較するのではなく、費用の違いの理由は何かを確認すると良いでしょう。 一般教育訓練給付金制度や助成金など、国や自治体の制度が利用できることもありますので、こちらも確認しておきましょう。
ケア資格ナビでは教育訓練給付金の対象講座を一覧で確認できます。一覧比較で都道府県を選択後に表示される欄に給付アイコンがある、または「給付金」と書いてある講座が対象です。
開講日程や週に何回通えるかは、スクールによって変わってきます。1週間に通う回数で受講期間も変わりますので、短期間で修了したい人は1週間に多く通えるスクールを選びましょう。
働きながら取得する人は、自分の通える曜日に講座が開講されているか、土日コースがあるかなども選ぶポイントになります。
仕事や急用などでやむを得ず欠席をすることもあります。振替がしやすいか、振替授業が無料か有料か、回数制限はあるかなども確認しておきましょう。
ほとんどのスクールでは就職支援を行っています。関連の介護事業所に就職できる場合や、地域の介護事業所とのつながりで就職できるスクールもあります。先々の就職を考えてスクールを選ぶと、資格取得後にスムーズに働きだすことができるでしょう。
就職実績を確認しておくこともおすすめです。
スクールには大手と地域密着型があります。大手には知名度や安心感があり、地域密着型スクールはアットホームに学べるなど、それぞれ校風や雰囲気に違いがあります。
電話で話を聞いてみたり見学をするなどして、自分に合いそうな学びやすいスクールを選びましょう。
初任者研修修了後に活躍できる場所は、施設や訪問介護事業所などさまざまな形態の事業所があります。訪問介護事業所に就職した場合は、介護サービス利用者の自宅で介護の仕事をすることになります。
介護事業所のほかには、病院で医師や看護師の指示の下で患者さんの身体介助を行う介護職員もいます。介護タクシードライバーはリタイア後の再就職先として、男性に注目されている職種です。
高齢化が進むなか、介護業界は人手不足の状態が続いており、今後はますます深刻化されると予想されています。現状も求人は豊富にあるので、初任者研修の資格を取得すれば就職に困ることはないでしょう。
介護業界で働く人のメイン層は施設で30~40代、訪問ヘルパーで50~60代です。40代・50代の人も異業種からの転職や子育てがひと段落した後に、介護業界で再スタートを切っています。正社員を定年後にパートなどで働き続けている人もいるので、長く働き続けることが可能な業界と言えるでしょう。
昨今のコロナ禍のような状況で、介護の仕事で活躍している人の存在と重要性は再認識されています。「介護の仕事に興味がある」「人の役に立ちたい」と思う人は、ぜひ介護業界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。