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ケア資格ナビ> 介護職員初任者研修ガイド> 無資格の介護職員に認知症介護基礎研修 研修受講か資格取得どちらがおトク?
2021年度介護報酬改定では、各サービスの運営基準の見直しで、無資格の介護職員に「認知症介護基礎研修」の受講が義務付けられました。
無資格で介護職に就いている方、介護職に興味のある方などは、「これからの介護職はどんなキャリアパスになっていくのだろう」と考えているのではないでしょうか?
この記事では、介護業界で新たに導入される「認知症介護基礎研修」についてご紹介するとともに、「認知症介護基礎研修」を受講するメリットやその他の介護資格との違いについてもご紹介します。
皆さんにとってこれから先、どうステップアップしたら良いかを考えるプラスの情報も盛り込んでいますので、最後まで読んでみてくださいね。
介護職の初歩的資格 介護職員介護初任者研修についてくわしくはこちら>>介護職員初任者研修とは?
「認知症介護基礎研修」とは、介護事業所や施設などで働く認知症の基礎知識を持っていない介護職員に向けられた研修です。
一部の訪問サービスや居宅介護支援、福祉用具貸与(販売)を除き、医療・福祉関係の資格を有さない介護職員の無資格者が対象者となります。
国としては高齢化社会となり感染症や災害が起こっても、介護サービスを途切れなく提供できるような体制の構築を目指しています。そのためには、介護職員の質を高めることが必要だとしています。
今後も認知症の方の増加は見込まれるため、あらゆる介護事業所や施設において、認知症の基礎的知識を持っている介護職員を配置したいのです。
認知症介護基礎研修では、どんなことを学ぶのでしょうか。
認知症介護基礎研修では、認知症介護に関する基礎的な知識及び技術を6時間で学びます。
標準カリキュラムの内容を以下でご紹介します。
認知症介護基礎研修のカリキュラムは、質の高い認知症ケアを提供するための人材育成教育が行える内容になっています。
教科名 | 内容 |
---|---|
講義:認知症の人の理解と対応の基本 | 認知症の人を取り巻く現状 認知症の人を理解するために必要な基礎的知識 具体的なケアを提供する時の判断基準となる考え方 認知症ケアの基礎的技術に関する知識 |
演習:認知症ケア実践上の留意点 | 認知症の人との基本的なコミュニケーションの方法 不適切なケアの理解と回避方法・病態・症状等を理解したケアの選択 行動・心理症状(BPSD)を理解したケアの選択と工夫 自事業所の状況や自身のこれまでのケアの振り返り |
引用元:厚生労働省 都道府県・指定都市 認知症施策担当者会議資料
認知症介護基礎研修は講義と演習で構成されています。
講義では、認知症を取り巻く現状や症状に関する基礎的な知識を学びます。演習では認知症ケアを実施するために必要な方法について、さまざまな事例演習の中で対応法を身につけていきます。
認知症介護基礎研修の学び方は、自治体ごとで異なります。
講義の「認知症の人の理解と対応の基本」については、通信形式の受講が可能なeラーニングで学ぶことができるようになっていますが、一般的には研修のすべてを集合形態で行っている自治体が多いです。
実施回数は全国的に見てみると、年に4回程度実施している自治体の他、東京では年に20回程度、研修を実施しています。
東京については、研修回によってeラーニングを導入している場合もあります。
新型感染症の影響で研修の実施を見送っている自治体もありますので、参加可能な自治体でご確認ください。
認知症介護基礎研修は、研修を自治体自体が実施している場合とスクールに委託している場合があります。
実施主体者が自治体の場合、受講料は無料ということもありますが、3,000円程度としている自治体、テキスト代1,000円程度とする自治体など受講料については、自治体ごとに異なっています。
一方、自治体から指定を受けてスクールが研修を行っている場合は、テキスト代と受講料を含め5,000円程度の受講料が設定されています。
認知症介護基礎研修の難易度は、認知症介護に関する基礎的な知識や技術を身につける研修のため、それほど難易度の高いものではありません。
試験については実施されず、規定のカリキュラムをすべて修了した方には、修了証書が交付されます。
認知症介護基礎研修は上記でご説明したように無資格の介護職員に今後、受講が義務付けられますが、すぐに研修を受ける必要はなく3年間の経過措置が設けられています。
受講するメリットとはどんなことでしょうか。
認知症介護基礎研修を受講すると、有資格者として介護業界で働くことができます。
介護資格のキャリアパスとは異なりますが、認知症関連の研修には認知症介護基礎研修の他にステップアップするための研修があります。
認知症に関する学びを深めるためには、資格を取得する他に上記のような研修を受けることで、計画作成担当者となれるなどのステップアップが目指せます。
認知症に関しては、このような研修がありますが、介護の資格とはどんな違いがあるのでしょうか。
これまで介護の初歩の資格は、「介護職員初任者研修(以下、初任者研修)」とされてきました。
認知症介護基礎研修とはどう違うのでしょうか。
初任者研修では、介護職員として働くために必要な基礎的な知識や技術を身につけます。
一方、認知症介護基礎研修は、介護職員として働くのに必要な認知症に関する基礎的な知識や対応方法を学びます。
受講料 | 受講期間 | 受講内容 | |
---|---|---|---|
初任者研修 | 45,000円前後~* | 最短1カ月~ | 介護職員として働くのに必要な介護全般の基礎的な知識や技術を学ぶ |
認知症介護基礎研修 | 無料~ | 1日 | 介護職員として働くのに必要な認知症に関する基礎的な知識を学ぶ |
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初任者研修を修了していると、職場によっては資格手当を出してくれる場合もありますが、認知症介護基礎研修は新しい研修のため、給与に反映されるかどうかは未知数です。
初任者研修を修了すると、訪問介護でヘルパー業務が行えます。介護福祉士の受験資格となる実務者研修にチャレンジする場合は、初任者研修で学んだ分が生かされ、実務者研修の取得に必要な科目時間数を削減することにもつながります。
認知症介護基礎研修はひとまず「介護職に就いてみよう」という方には、受講料や期間の面で受講しやすい研修となります。
この認知症介護基礎研修の創設によって近い将来、ほとんどの介護職員は有資格者となります。認知症介護基礎研修は1日で研修が修了するため、取り組みやすい資格ではありますが、これから先もずっと介護職を続けていこうと考えている人なら、これを機に介護の初歩資格となる初任者研修の受講にチャレンジしてみるのもアリ! です。
ケア資格ナビご紹介している初任者研修の講座には、受講費がおトクとなる講座も多数ご紹介しています。受講費を節約する方法には、さまざまな方法があるのです。
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参考:運営基準の改正等の概要(案) 社会保障審議会 介護給付費分科会
「認知症介護実践者等養成事業の実施について」の一部改正について 厚生労働省
認知症介護実践者等養成事業実施要綱 厚生労働省
社会福祉法人東北福祉会 認知症介護研究・研修仙台センター