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ボディメカニクスって何ですか?―介護がもっと楽しくなる身体の使い方

Kenshu Shonancare
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介護に力はいらない

皆さん、介護って力仕事だって思っていませんか?持ち上げたり、重かったりして大変だ、腰を痛めてしまう、そういったイメージをお持ちかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ力はいらないと考えた方が良いと思います。これからお伝えするボディメカニクスの8つの原則を理解することによって、皆さんの考え方はガラッと変わるでしょう。

今日お伝えしたいのは重要なのはやり方ではなく考え方だということです。考え方をすっ飛ばしてやり方だけを見てしまうと「どういうやり方だっけ?」となってしまうのですが、考え方をしっかりと学んでいただければどんなやり方をしても上手くいきます。移動の介助の仕方は、私も今までたくさんのやり方や方法論を学んできましたが、すべてにボディメカニクスの原則が入っています。ボディメカニクスはすべての原点ということです。
どうすれば楽に移乗できるのかを理解できるようになると、とても楽しいですよ。

ボディメカニクスの8つの原則

まず、ボディメカニクスの8つの原則のひとつである「支持基底面積を広くとる」について説明します。支持基底面積とは、分かりやすく言うと人間を支えている面積のことです。たとえば、今、皆さんは椅子に座っていますので、つま先からお尻までが支持基底面積ですが、実は椅子も支持基底面積になります。皆さんが立っているとすれば、足の裏の面積が支持基底面積ですね。

この支持基底面積が広いと私たちは安定しますし、狭いと不安定になります。たとえば、つま先で立つととても不安定ですよね。そして広くなればなるほど、逆に安定します。大の字に寝ている人を動かすのは難しいですよね。ですから、動かしたくないなと思ったら支持基底面積を広くとる、動かしたいなと思ったら狭くとればいいんです。

1、支持基底面積を広くする

それでは、今から皆さんに体験してもらいたいと思います。2人組になってジャンケンしてください。今からお渡しするタオルの端をそれぞれ持って、勝った人は横に足を開いて、負けた人は足をピタッと閉じて、お互いに引っ張り合いましょう。それじゃあ始め!

どうでしたか?おそらく足を横に開いている人の方が、力のかけ具合が楽だったのではないでしょうか?横に足を開いている方が、支持基底面積が広いので安定しているということです。

それでは次に、横に足を開いた人はそのまま、もうひとりは足を前後に開いてください。はい、その体勢でまた引っ張り合ってください。よーいスタート! 今度はどうでしたか?横に開いている人は、さっきと違って、耐えるしかなかったのではないでしょうか?それでは次は、今横に足を開いている人は、今度は前後に開いてさらに膝を低く曲げてみてください。足はどちらが前後でも良いです。それでは、また引っ張り合ってみてください。 また逆転しましたね。それでは最後に、ひとりは足を閉じて気をつけの姿勢になって、もうひとりは足を前後に開いてなおかつ膝を曲げて低い姿勢をとって、引っ張り合ってみてください。
(キャーという歓声)

2、対象に近づける

1秒ぐらいで決着がつきましたね(笑)。はい、ちょっとした力で動きましたよね。何が言いたいかというと、自分が支持基底面積を広くとって、相手は狭くすると、わずかな力で人は動く。つまり力はいらないということです。 ということが分かっていないと、支持基底面積が広い人をそのまま動かそうとしてしまいます。さっきの体験でいうと、お互いが足を前後に開いて、膝を曲げている状態で引っ張り合っているようなものです。「なんでこの人動かないの~」って、そりゃ動くわけがないですよね(笑)。介護の現場ではよくある光景で、動かないから、結局のところ、持ち上げてしまうことになります。大切なのは、動かす前に、まず相手の支持基底面積を狭くする、自分の支持基底面積を広くすることです。

つづいて、「対象に近づける」について説明します。皆さん、立ち上がって、今座っている椅子を両手で持ってみてください。背もたれのところを持って、1、2の3で腕を伸ばしてみてください。はい、どうぞ!
(重い~という苦しいうめき声)

重くて、持っていられないですよね。でも、皆さんが腕を伸ばした瞬間に、椅子が10Kgから20Kgになったということではないですよね。同じ重さのはずです。つまり、互いの重心が離れると重たく感じるということです。

私たちは、この原則を知識としては知らなくても日常生活のあらゆるところで活用していたりします。たとえば、スプーンを持って食べるとき、端を持つ人いないですよね。重心から離れると不安定になるし、重く感じるからです。でもいちいち「対象に近づかないと」なんて思っている人いませんよね(笑)。皆さん、自然にやっていることです。

重心と支持基底面積の関係の話をしておくと、重心が支持基底面積から外れると、私たちは簡単に倒れてしまいます。だからこそ、相手を支えるべき私たちは支持基底面積をしっかり広くとっておかなければなりません。介護をする場合に横から押されることはありませんので、私たちは足を前後に開いて、膝を曲げて重心を低くする姿勢を取るべきです。これは覚えておいてくださいね。

3、人間は重心が動かないと立てない

それでは皆さん、もう一度立ってください。はい、また座ってください。

今度は、今から20秒かけて立ってみてください。19秒待って1秒で立ってはダメですよ(笑)。自分の動きを意識しながら、20秒かけてゆっくりと立ってみてください。

はい、ありがとうございます。どうでしたか、皆さんの重心はどう動いていましたか?そう、最初はお尻にあった重心が足に移ってから立ちましたよね。人間は重心が動かないと立てません。その重心を動かすための予備動作として、前かがみになっていたはずです。

皆さんは、日常生活の中で自然に行っています。意識して立ち上がる人はいないですよね。電車降りるときに、「次は町田~」ってアナウンスが流れて「よし降りるぞ、足引かなきゃ、前かがみになって重心を移動して立つぞ」なんてやらないですよね(笑)。無意識にできるものです。でも、高齢者はそうではなくて、たとえば寝たきりになってしまったりすると、人間は不思議なのですが、立ち方を忘れてしまったり、分からなくなってしまうこともあります。

今ゆっくり立ち上がってみてもらったときに、太ももが痛くなった瞬間ってなかったですか?ありましたよね。重心がお尻から足に移ろうとしているとき、太ももに重心が移ったところが辛かったはずです。お尻が浮いて、足に重心が移ろうとしているそのとき、支持基底面積が狭くなり、ふらふらと不安定になるので、それを太ももで支えていた。つまり不安定な状態をつくることができれば、相手を動かしやすくなるのではないかということです。

それでは実際にやってみましょう。体験してみるのがいちばん分かりやすいです。3つの椅子を使ってひとつに自分が座り、相手の方に2つ椅子をおいて、座ってもらっている片方からもう片方の椅子に移動させます。

4、重心を低くする

まずは見本を見せますので、皆さん、集まってきてください。まず両足で相手の両足をはさみます。そして、相手を前かがみにします。なぜ、前かがみにするのでしたっけ?そう、支持基底面積を狭くするためですよね。その状態で、自分の手を相手の脇の下に置いてください。当てるぐらいの感覚で結構です。相手の重心をこっちに持ってくるために、少しだけ手を使って手前に引きます。持ち上げるのではなく、こちら側に引く感覚です。両手は引くために使います。相手を動かすためには、外側の足(移ってもらいたい椅子と逆の側にある足)を使って、足一本で動かします。こんな感じで。さあ体験してみましょう!
(「楽~!」「軽い~!」といった声が上がる)

簡単に動きましたよね。ほとんど力はいらなかったと思います。お尻が少し浮いた状態をつくって支持基底面積を狭くして、不安定にしてから相手を動かしました。この不安定な状態をつくり出すことを意識すればいいのです。そのためには、相手の体を上方向に持ち上げるのではなく、手前の方向に引かなければならないということです。

次は、自分が椅子に座らずに相手を椅子から椅子に動かしてみます。椅子と椅子は真横ではなく、90度になるように置いてください。両足は相手の両足を外側からはさむようにして置いてください。相手の足の内側に入れないでくださいね。そして、相手の脇の下に自分の頭を入れるような形で、椅子と椅子の間に自分の顔をもっていきます。そして、右から左に移動させるとして、安全のために左手は移る側の椅子を支えていてください。右手は相手の腰のところあたりに当てて、横方向に動かします。上ではなく横にスライドします。このとき先ほどと同じように、相手を手前に引くようにして、重心を移動させ支持基底面積を狭くして不安定な状態にさせることが大切です。

自分がなるべく低い姿勢になることがポイントです。ボディメカニクスの8つの原則のひとつである自分の「重心を低くする」ということです。低い姿勢をとって、相手を持ち上げるのではなく、手前に引いてその瞬間に添えた手を使って軽く動かすのです。かがんだまま回すと腰を痛めますので、一旦、背筋を伸ばしてから回してくださいね。手で動かすのではなく、相手を不安定にすることを意識してみると上手くいきます。はい、やってみましょう!
この考え方は、椅子から車椅子、ベッドから車椅子という状況でも、同じように使うことができます。

5、対象を小さくまとめる

次に「対象を小さくまとめる」について説明します。人間というのは大の字になってしまうと、支持基底面積が広くなってしまって動きづらいです。たとえば、日曜日にお父さんが寝転がっていて、掃除機をかけているのに邪魔だなあと思っても、大の字になっていたら動かせないわけです。そんなときは、どんどん小さくしていっちゃいましょう。まず両腕を胸の前に持ってきてもらう。そして、膝を曲げてもらう。首を上げてもらう。こうするとかなり小さくまとまりますね。ここまでくると簡単に横向きにできます。

小さくまとめることが大切なのは支持基底面積を狭くするためですが、それは摩擦とも大きな関係があります。人間の体には摩擦があって、特にお尻の周りの摩擦は大きいです。その摩擦が邪魔をして、動きをブロックしていたりするのです。ということは、たとえばこのようなビニールを敷いて、摩擦を消すことで、スムーズに動かすこともできます。ですから、ゴロゴロしているお父さんがいたら、小さくまとめてビニールを玄関まで敷けば、家の外までザァーっと動かすことができるのです(一同爆笑)


身体の仕組みなども学びながら、実際に身体を動かしてやってみることで介助者にとってもやさしい介護を身につけることができるんですね。ボディメカニクスの8つの原則の続きは、介護職員初任者研修で実際に学んでみませんか?

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