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ケア資格ナビ> 介護職員初任者研修ガイド> 介護職の給与事情は?無資格から介護福祉士まで給与を徹底調査しました!
新型コロナウイルスの影響で、世の中は唐突に不景気になりました。そんな中、注目されているのが不況に強いと言われる介護業界です。
転職先の選択肢として考えられるものの、給与事情が気になる方も多いのではないでしょうか?
この記事では「介護の仕事の給与は実際どれくらいなの?」と気になっている方に向けて、介護職員の給与について徹底解説します。
取得資格や介護事業所の形態によっても変わりますので、就職や転職を考えている方は要チェックです!
また当サイトでは、介護の資格についてさまざまな情報を紹介しています。全国の講座を比較し、無料で一括資料請求もできます。合わせてご確認ください。
2021年度の厚生労働省の資料をもとに、介護職員の平均給与を調査してみました。介護職員の平均給与額は以下となっていました。
平均月給額 | 平均基本給額 | 平均年収 |
---|---|---|
318,860円 | 187,090円 | 3,826,320円 |
2021年度の介護職員の平均月給は318,860円でした。この平均月給額は、基本給に手当や賞与などの一時金を等分して加算したものです。×12で年収換算すると3,826,320円となりました。
これを多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれでしょうが、参考に2021年の厚生労働省の毎月勤労統計調査からいくつかの他産業の平均月給を見てみましょう。
産業 | 月間現金給与 |
---|---|
医療・福祉 | 386,162円 |
建設業 | 433,539円 |
製造業 | 425,803円 |
運輸業・郵便業 | 389,337円 |
卸売業・小売業 | 428,154円 |
飲食サービス業 | 279,086円 |
生活関連サービス業・娯楽業 | 310,010円 |
表を見ると、介護業界が含まれる医療・福祉業界の月間給与額よりも高い産業ももちろんあります。
とは言え、介護業界と同じく比較的転職がしやすいと言われる飲食サービス業などに比べると、給与が高めなことも分かります。
次は介護職員の給与を年齢別、性別で確認してみましょう。
年代 | 平均月給額 | 平均勤続年数 |
---|---|---|
29歳以下 | 297,240円 | 4.3年 |
30~39歳 | 340,130円 | 7.6年 |
40~49歳 | 355,700円 | 9.8年 |
50~59歳 | 332,670円 | 9.6年 |
60歳以上 | 286,900円 | 9.2年 |
年代 | 平均月給額 | 平均勤続年数 |
---|---|---|
29歳以下 | 287,400円 | 4.1年 |
30~39歳 | 305,860円 | 7.8年 |
40~49歳 | 310,510円 | 9.3年 |
50~59歳 | 315,760円 | 9.6年 |
60歳以上 | 292,710円 | 11.2年 |
年齢が上がるにつれて給与も上がりますが、男女とも50~60代で下がっていく傾向があります。ですが60代以上でも正社員として活躍する方も多く、一定の給与を得ることができるのは、介護職員の強みとも言えます。
異業種から転職を考えている方で気になるのは、転職してすぐの給与ではないでしょうか。
介護業界は40代からでも転職できると言われていますが、勤続1年目ではどのくらいの給与を得ることができるのでしょうか。確認してみましょう。
勤続年数 | 平均月給額 | 平均年齢 |
---|---|---|
1年 | 280,780円 | 38.9歳 |
2年 | 292,070円 | 40.7歳 |
3年 | 306,620円 | 42.1歳 |
4年 | 308,070円 | 42.2歳 |
5年 | 315,480円 | 42.0歳 |
1年目の平均月給は28万円台でした。こちらの平均月給も手当および賞与を等分したものを含めた月給になりますので、年収換算すると約330万円になります。
また平均年齢に注目すると、介護業界は勤続5年未満でも40代がメインです。30代はもちろん40代になっても正社員として転職が可能ということがこのデータでもわかります。
介護の職場には、施設や訪問介護事業所、通所介護事業所(デイサービス)などいくつか種類があります。
種類ごとに平均給与も違ってきますので、こちらも確認してみましょう。
事業所の形態 | 平均月給額 |
---|---|
特別養護老人ホーム | 345,590円 |
介護老人保健施設 | 338,390円 |
訪問介護事業所 | 314,590円 |
通所介護事業所(デイサービス) | 278,180円 |
グループホーム | 291,460円 |
事業所の種類によって平均月給が異なるのは、夜勤があるかないかも関わってきます。特別養護老人ホームや介護老人保健施設は高齢者が入所している施設ですので、24時間体制のケアが必要になり夜勤があります。
デイサービスは高齢者が日中に自宅から通う施設ですので、夜勤はなく給料は他と比べ低めになりますが、働きやすいことから人気もあります。
介護業界には「キャリアパス」という、資格を取得しながらステップアップできるルートが整っていることをご存知でしょうか?
介護の現場で働く方は「初任者研修→実務者研修→介護福祉士」のように資格を取得すると、スムーズにキャリアアップができ、その資格は給与にも反映されます。 以下、保有資格別の平均月給額を見てみましょう。
保有資格 | 平均月給額 |
---|---|
無資格 | 271,260円 |
介護職員初任者研修 | 300,510円 |
実務者研修 | 307,330円 |
介護福祉士 | 328,720円 |
ケアマネージャー | 362,290円 |
上記の表を見ると、上位資格になるほど給与が高くなることがわかります。 資格があると基本給のベースが変わったり、資格手当をもらえることもあります。
就職する際にも有利になりますので、少しでも給与ベースを上げたい方はまずは取得のしやすい初任者研修の資格を取得しておくと良いでしょう。
ここまで、最新の給与データを見てみましたが、介護職員の過去の給料はどうだったのでしょうか。現状との比較のために年度別の平均給与を確認してみましょう。
年度 | 平均月給額 |
---|---|
2017年 | 297,450円 |
2018年 | 300,970円 |
2019年 | 300,120円 |
2020年 | 315,850円 |
2021年 | 316,610円 |
表を見ると、介護職員の給与はおおむね年々上昇しているのがわかります。2018年度からは月給30万円を超えるようになっています。今後もコンスタントに上昇を続けると予想できるでしょう。
「介護職員は給料が低い」というイメージをお持ちの方も少なくないようですが、実際はどうなのでしょうか。
ここまで見てわかるように、他産業に比べても近年の給与を見てみても決して低いわけではなく、さらに給料は年々上昇しています。
それでも給与が低いイメージがぬぐえない理由のひとつに、介護職員の給与は他の民間企業などとは給与の構造が違うことがあげられます。
介護職員の給与は、実施した介護サービスの分だけ国から支払われる「介護報酬」と、介護サービスを受けた人から受け取る「利用者負担額」から支払われます。
介護報酬と利用者負担額はどんなに介護の質が高くても、利用された分しか支払われることはありません。「ヒット商品が出てボーナスが上がる」のようなこともないため、大幅に高くなることもなく高いイメージにはなりにくいと言えるのです。
しかし、売上上昇などでボーナスが高額になることはなくても、高齢化が進み介護サービスの利用は増え続けることから、給与が下がることもほぼないと言えます。不景気になってもなくなる仕事ではなく安定している上、今後もコンスタントな給料の上昇も見込まれます。
高齢化により介護職員は将来的にますます必要となることから、国は介護職員の人員確保は重要事項にしており、待遇の改善に力を入れています。
なかでも勤続10年以上の介護福祉士は、2019年に新設された「特定処遇改善加算」により今後も月給が増加することが予想されます。
介護職員の給与をあらゆる角度からご紹介しましたが、どのように思われたでしょうか。
「思ったよりも悪くなかった」「やはりもう少し高ければ……」などきっとさまざまでしょう。
どう感じたとしても、働くならやはり給与は少しでも高い方が嬉しいものですよね。 こちらでは給与を上げるポイントをいくつかご紹介します。
上記でも見てきたように、介護職員は資格の取得で給与ベースを上げることができます。資格の取得は大変に感じるかもしれませんが、初任者研修なら最短1カ月で取得でき、働きながらでも取得しやすい資格になっています。
費用は4,5万円台が主流ですが、転職で雇用保険に前職で入っていた方なら費用の補助が受けられる場合がありますし、新たに入職する介護事業所に資格取得支援制度があることもあります。
上手に利用すれば、ほぼ費用をかけないことも可能です。最近では国や自治体の介護資格取得の助成制度も多いので、確認しておくと良いでしょう。
すぐには難しいかもしれませんが、先々に給与を上げたいのならリーダーや管理職を目指すことをおすすめします。責任も重くなりますが、その分やりがいもあり給料も上がります。
職位別 | 平均月給額 | 平均勤務年数 |
---|---|---|
管理職 | 344,470円 | 10.5年 |
管理職でない | 308,930円 | 8.2年 |
上記の表の「管理職」は主任、リーダー、サブリーダーなど職場のまとめ役の職位やサービス提供責任者を含みます。
サービス提供責任者は、訪問介護事業所に在籍義務のあるリーダー的な役割を果たす存在です。実務者研修以上の資格があれば、経験が少なくても比較的就きやすい職種です。
こちらも資格の取得と言えますが、高齢者やその家族の相談を受けケアプランの作成などを行うケアマネージャーを将来的に目指すこともおすすめです。介護福祉士の資格を持って経験を積めば、ケアマネージャーの試験を受験することが可能になります。
給与は介護福祉士よりもさらに上を目指すことができ、年齢が高くなり万が一介護現場の仕事が肉体的に辛くなったときでも、介護の仕事を続けやすくなるでしょう。
介護業界は施設や訪問介護など、事業所の種類で給与が変わりますが、他の業界にも言えるように事業所の規模などによっても給与や待遇は変わってきます。
より給与の高い職場で働きたいと考える方は、なるべく幅広く求人を見て、給与や福利厚生を比較してみましょう。
すでに介護業界で働いている方の場合、経験とさらに資格があればより良い条件の職場へ転職も可能です。現状の待遇にどうしても満足できなくなったら、転職を視野に入れても良いかもしれません。
日本では高齢化がますます進んでおり、介護職員の需要は高い状況が続いています。過去の経済が低迷しているときも現在の不景気の状況でも、介護職員は一貫して必要とされている職種です。
介護業界はステップアップするルートも整っており、目標を持ちながら働きたいと思っている方が活躍できる業界です。
また、介護の仕事は人の人生の晩年に関わるとても大切な仕事です。 働くことにおいて給与はもちろん大切ですが、あなたが仕事自体にやりがいを持って、豊かな気持ちで仕事ができることが一番です。
介護の仕事に興味を持った方は、ぜひ介護業界に飛び込んでみてください!
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※介護職員の給与は、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(V)を取得している事業所の給与を参考にしています。
出典:
厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和3年分結果確報