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掲載希望スクール様はこちらケア資格ナビ> 介護職員初任者研修ガイド> 【要介護認定とは】要支援・要介護はどう決まる?分かりやすく解説
今回の記事では要介護認定で判断される要支援や要介護のめやすを知るとともに、介護サービス利用までの流れを見ていきたいと思います。
ご家族の介護サービス利用を検討している方はもちろん、介護職を目指す方はぜひ知っておきたい知識です。
介護ニーズが増大する中で、高齢者の生活を支える介護保険制度。この介護保険制度を利用するためには、まず利用者がどの程度、支援や介護が必要な状態であるかを判断する「要介護認定」を行います。
要介護認定とは、利用者の要介護度を決めることです。要介護度は一次判定・二次判定を経て非該当の他、7段階に分類された指標で判定されます。
要介護認定は市町村の介護認定審査会が利用者の状態を調査し、認定します。この要介護認定で判定された要介護度によって、利用できる介護サービスや支払う金額などがはっきりしてきます。
要介護度の状態区分で示される「要支援」とは、現状の生活を送る上では問題ないものの、将来的に要介護状態になる可能性があるため、介護予防としての支援をすべき状態のことを指します。
一方、「要介護」とは、高齢者がひとりで生活を送ることが難しく、介護が必要な状態であることを意味します。
要介護認定の一次判定の要介護度は、認定調査結果に基づいて算出された「要介護認定等基準時間」などにより決定されます。
要介護度は以下のような指標になっています。
区分 | 要介護認定等基準時間 |
---|---|
非該当 | 25分未満 |
要支援1 | 25分以上 32分未満 |
要支援2・要介護1 | 32分以上 50分未満 |
要介護2 | 50分以上 70分未満 |
要介護3 | 70分以上 90分未満 |
要介護4 | 90分以上 110分未満 |
要介護5 | 110分以上 |
要介護度の区分は要支援1の要介護認定等基準時間が1番短く、介護の必要性としては1番サポートの必要が少ない状態になります。
基準となっている要介護認定等基準時間は、利用者の能力・介助の方法・障害や現象の有無から推計された介護に要する時間を示したものです。
これは生活場面の行為の時間や認知症加算の時間を合計し、算出されています。
判定の基準となっている生活場面の行為は、以下のとおりです。
直接生活介助* | 入浴、排泄、食事等の介護 |
---|---|
間接生活介助 | 洗濯、掃除等の家事援助等 |
BPSD 関連行為 | 徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等 |
機能訓練関連行為 | 歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練 |
医療関連行為 | 輸液の管理、じょくそうの処置等の診療の補助等 |
* 直接生活介助については、食事、排泄、移動、清潔保持にわけて推計されます。
参考:要介護認定 介護審査会委員テキスト 改訂版 2009 厚生労働省
要介護度の区分がはっきりすると、介護保険の適用された支給限度額がどのくらいかも分かります。現在(2021年1月)は、下記のように区分されています。少しずつではありますが、支給限度額は増加傾向にあります。
なお、これらの基準はあくまでもめやすですので、くわしくは直接認定を受ける窓口までお問い合わせください。
区分 | 状態のめやす | 支給限度額 | |
---|---|---|---|
自 立 |
非該当 | 日常の基本的動作を自分で行うことができ、薬の内服、電話の利用などといった生活動作を行う能力もある状態。 | 0円 |
要 支 援 |
要支援1 | 現時点ではほぼ自立が可能だが、悪化を防止するためにも、介護予防サービスの利用による改善が求められる状態。 | 50,030円 |
要支援2 | 生活機能の一部に低下が認められ、何らかの支援が必要だが、介護予防サービスを利用することにより、機能の維持や改善が見込まれる状態。 | 104,730円 | |
要 介 護 |
要介護1 | 日常生活はおおむね自立しているが、立ち上がりや歩行が不安定な状態。排泄、入浴などに一部介助が必要。 | 166,920円 |
要介護2 | 立ち上がりや歩行などが自力では困難。排泄、入浴などで一部または全体の介助が必要。 | 196,160円 | |
要介護3 | 立ち上がりや歩行などが自力では不可能。排泄、入浴、衣服の着脱などで全体の介助が必要。 | 269,310円 | |
要介護4 | いわゆる寝たきりの症状。排泄、入浴、衣服の着脱などといった、日常生活に全面的な介助が必要。食事にも一部介助が必要で、介護なしでは日常生活が困難な状態。 | 308,060円 | |
要介護5 | 意思の疎通が困難。食事を含む生活全般について全面的介助が必要で、介護なしでは日常生活が不可能な状態。 | 360,650円 |
参考:>区分支給限度基準額 (参考資料) 厚生労働省 介護給付費分科会
介護サービスには、通所介護や訪問介護など多くのサービスの種類があります。
これらの介護サービスを利用するには、誰でも利用できるわけではありません。各サービスには、利用対象者などの基準があります。それではいったいどんな人がどんな介護サービスを利用できるのでしょうか。
具体的な例を見ていきたいと思います。
通所介護は自宅で暮らしている人が、デイサービスを行っている事業所に出向いて必要な介護サービスを受けます。
このようなサービスを受けるために、利用者は来所します。
レクリエーションを楽しみに来る人も多いため、比較的要介護度が軽い人も多くいます。
訪問介護・訪問入浴・訪問リハビリテーションは自宅で、看護師やリハビリテーション専門職などによる介護サービスを必要に応じて受けます。
介護サービスの内容は食事や入浴、排泄などの介助を行う「身体介護」や調理、洗濯、掃除などの「生活援助」、機能訓練などがあります。
利用者は本人の希望や家族の希望により、自宅で介護サービスを受ける選択をしているため、要介護度が軽い人から重い人までさまざまです。
特別養護老人ホームは介護の必要性の高い人が入所者選定基準により選定され、入所しています。
自宅での生活が困難になってしまった人が生活する施設なので、身体介護や生活援助など生活全般にかかわる介護サービスが提供されます。
入所条件が終身となっており、在所期間が長い人もいるため介護度は比較的重めの人が多く入所しています。そのため健康状態を詳細にチェックする必要があり、療養上のサポートも必要とされる施設になっています。
* 特例があります。
有料老人ホームは民間企業などが運営する高齢者向け施設で、施設のタイプにより提供される介護サービスの内容は多少異なります。
基本的には食事・入浴・排泄などのサポートや、健康チェック・洗濯・掃除などがあり、利用者の状態により選択できるようになっています。
入居者条件の幅が広い施設なので、入居者の身体の状態により要介護度の幅はさまざまです。
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これまでにご紹介してきたように、要介護度はさまざまな場面で利用されます。
要介護度を決める要介護認定は、おもに以下のような流れで行われます。
市区町村の介護担当窓口、「高齢者福祉課」などで介護保険利用の申請することができます。
本人が申請に行くことができない場合は、家族や成年後見人・地域包括支援センターなどに代行してもらうこともできます。
申請後、市区町村の訪問調査員が利用者を訪問します。認定調査票というチェック表に従って、利用者の心身の状況に関する認定調査を行います。
主治医意見書や心身の状況に関する調査をもとに、要介護認定基準時間の算出を行い(一次判定)、介護認定調査会(二次判定)による審査を経て要介護状態区分を判定します。
なお、認定結果に納得がいかない場合は、申請を行った市区町村の窓口へ確認を取り、都道府県の介護保険審査会に再調査を申込むことができます。
申請後、およそ30日程度で結果が文書で通知されます。
地域包括支援センターで介護予防のためのケアプランを作成してもらい、介護予防のための地域支援事業を受けることができます。
地域包括支援センターで介護予防のためのケアプランを作成してもらい、介護予防サービスを受けることができます。また介護保険が適用されるので、サービス提供事業者と契約し、訪問介護などのサービスを受けることができます。
居宅系サービスか施設系サービスなどを選択し、それぞれの事業者や施設と契約を結んで介護サービスのケアプランを作成してもらいます。
その後、介護サービスを利用することができます。どこで介護サービスを受けるか迷ったら、出来る限りその施設や事業所に足を運び、介護サービスの内容やレクリエーションの内容などを見学してから選ぶのがベストでしょう。
いかがでしたか? 急激に進む高齢化社会では、要介護認定は身近なものです。
またコロナ禍で介護職への需要が高まっています。初めて介護の資格を取得する人には支援金を支給する動きも高まっています。
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