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ケア資格ナビ> 心理カウンセラーガイド> 自分の価値を認められないのは自己肯定感が低いから?
自己肯定感は主に幼少期の生活環境によってベースが作られ、その後の生き方に大きく影響するとされています。
万人に愛され、毎日成功し続ける人はどこにもいません。そうと分かっていても、私たちは失敗するたびに落ちこんだり、時には「他の人ならもっと上手くやれたかもしれないのに」「自分ってだめだなぁ」などと考えがちです。
どうしてこのような考え方をしてしまうのでしょうか。実は、このように考えてしまう原因に自己肯定感の低さが関係している可能性があります。今回は日本人に足りないとされる「自己肯定感」について詳しく見ていくとともに、低い原因や低い人にありがちな行動をご紹介します。
日本人は昔から謙虚さが美徳とされ、主張を控えたり場の空気を読むように育てられてきました。個として目立つよりも協調性を持つ方が好まれ、個々の意見を主張したり、個人として認められる経験が少ない傾向にあるのです。こうした背景もあって、日本では自分を肯定的に捉える機会が少なく、自己肯定感が低くなりがちなのです。
幼少期に自己肯定感を育てられず、低くなってしまっている人は、どのような特徴があるのかを見てみましょう。
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ここからは一問一答形式で、疑問を一つずつ紐解いていきます。
幼少期に形成される自己肯定感は、一人ひとりの才能を支える土台のようなものです。成長するにつれて、この土台の上に『頭の良さ』や『運動神経の良さ』など、それぞれ違った才能が積み重なっていきます。しかし、土台となる自己肯定感が低いと、ちょっとした失敗で才能への自信が揺らぎ、自己否定に繋がってしまいます。例えば、『頭の良い自分』しか肯定できていない人は、「テストで悪い点を取ったら、自分には何の価値もない」という考えに陥り、自信を失い息苦しさを感じるようになります。
自己肯定感の低い人は自分で自分を認めることが苦手なので、他人の評価をもとに自分の価値を判断するようになります。その結果、他人からの称賛を過度に期待したり、反対にそれが叶わなかったときに深く傷ついたりするのです。
自己肯定感の低い人は『褒める』に値する合格基準が人より高い傾向にあります。普通の人がやっていることはできて当たり前、むしろそれ以上のことができて初めて、自分には価値が生まれると思っている傾向があります。そのため、思い通りにならない自分自身を褒めることができず、落ちこむことが多くなります。
自己評価が低い人は、実は自分を過信しすぎている――こう言ってしまうと、逆説的で矛盾があると思う人も多いと思います。いったいどういうことなのか、詳しく見てみることにしましょう。
「今の自分に足りない能力がほしい!」「任された仕事を完璧にこなせるようになりたい!」人間なら誰しも、こうありたいと願う自分の姿があるのではないでしょうか。人はこの『なりたい自分』を目指して努力をするわけですが、時には達成できないこともあります。自己肯定感が低いと『至らない自分』は『なりたい自分』に達しない不合格の状態、という評価が下されます。目標を達成できない自分はダメな自分だ=こんな自分は自分じゃない、という考えが強くなり、失敗した自分を受け入れにくくなるのです。
このように自己肯定感の低い人は、『至らない自分』を受け入れることができないため、なかなか満足できないという状態になります。
『至らない自分』を上手に受け入れられない人は、理想的な自分から遠ざかっていると実感するたびに、感情を大きく乱されがちです。また他人からの好意やアドバイスを素直に受け入れられないので、成長が遅れることもあります。
中には、他人と比較して無理やり自分を優位に立たせようとする人もいます。自らのコンプレックスを刺激する人物に対して攻撃的になり、相手の弱みを叩くことで「自分の方が強い」「自分の方が優れている」と周りにアピールしようとするのです。学校のいじめや職場のパワハラ問題は、こうした感情が発端となっているケースもあります。
自己肯定感が高いと、失敗を恐れず何事にも前向きに挑戦することができます。万が一失敗をしたとしても、どんな自分でも受け入れられるので、深く落ち込むことはありません。また自身を偽る必要がないので、心を開いてアドバイスを受け取ることができます。失敗を受け入れ糧にすることで、成功体験が増えさらなる自信にもつながっていきます。
自己肯定感を高めるためには、まず自分自身の心を分析することから。
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ここまで読み進めていくと、「一度しみついた考え方はなかなか変えられない」と思う人も多いかもしれません。しかし、多かれ少なかれ、自分を良く見せたいと思う気持ちは誰でも持っているものです。
この記事を読んでいる人の中には、「このところ自分のことが好きになれない」と感じている人がいるかもしれません。そんなときは、ダメだと思う自分からも目を背けることなく、自分自身の一部として受け入れることが大切です。
成功した自分を「ちゃんとやれた自分はえらい」と褒めることはもちろん、失敗した自分も「チャレンジしたんだから頑張った」と認めることで、モチベーションの維持にもなり次の成功へもつながります。成功や達成感を多く感じることができるようになれば、それが自信につながり、自己肯定感も高まっていくでしょう。まずは自分自身の良い部分やイマイチな部分を見つめて、その上で少しずつ受け入れることから始めてみませんか。
近頃は自分の悩みと向き合うために、心理学やカウンセラーの養成講座を学ぶ人が増えてきました。多くの心理カウンセラー養成講座は、まず自分自身の心を分析することからスタートします。時には自分の嫌な面と向き合わなければならないこともあり、それはなかなか根気と勇気がいるかもしれません。しかし、それがあなた自身の自己肯定感を高める手がかりになり、よりポジティブに生きていくことにつながっていくのです。
そして心理学を学ぶことで、悩みを抱えた人や家族を励ましたり、自分の子育てに生かすこともできます。あなたも心理学を学んで、自分自身や周囲の人に役立ててみませんか?
参考:子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わるほめ方・叱り方(明橋大二著)