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サービス提供責任者として働くには?必要な資格や仕事内容を解説!

訪問介護事業所に配置されるサービス提供責任者。「責任者」と名付けられていることから重要な存在であることは想像できますが、実際にはどのような役割でどのような仕事をしているのでしょうか。

こちらの記事ではサービス提供責任者について、なるための要件や仕事内容、給料などをご紹介します。

目次

サービス提供責任者とは?

サービス提供責任者とは、高齢者が訪問介護サービスを受ける際に調整業務を行う人のことで、訪問介護事業所に必置義務のある役職です。

訪問介護サービスを利用したい人が適切なサービスをスムーズに受けられるように、ケアマネージャーや訪問介護員と連絡を取り合い調整します。

具体的には、

  • ケアマネージャーが作成したケアプランをもとにして訪問介護計画書を作成
  • 高齢者やその家族への説明
  • 訪問介護員へ指示・指導

などを行います。

サービス提供責任者は訪問介護事業所のリーダー的な役割を担う、欠かすことのできない存在です。

サービス提供責任者になるための資格要件は?

サービス提供責任者になるためには、実務者研修以上の資格が必須です。

サービス提供責任者になるための資格要件
  • 実務者研修修了者
  • 介護福祉士(国家資格)の資格取得者

以前は、介護職員初任者研修やホームヘルパー2級の有資格者も、条件付きでサービス提供責任者になることを認められていました。

しかし現在は除外されているため、これから目指す人は実務者研修以上の資格を修了する必要があります。

それぞれの資格の特徴

サービス提供責任者になることのできる「実務者研修」と「介護福祉士」の資格の特徴を、それぞれ確認してみましょう。

ポイント 講座資料
実務者研修
  • どなたでも受講可能
  • 無資格者の場合で450時間の研修を受けることで資格を得られる
  • 介護福祉士受験に必須
  • サービス提供責任者になれる
全国の
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介護福祉士 国家資格
  • 実務者研修の修了と実務経験3年以上で受験可能
  • 介護現場のリーダーになれる
  • 介護福祉士として5年の実務経験を積めば、ケアマネージャー試験を受験可能
  • サービス提供責任者になれる
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サービス提供責任者の仕事内容

サービス提供責任者は、ケアマネージャーや利用者とその家族・介護職員との相談のパイプ役となる存在ですサービス提供責任者は、ケアマネージャーや介護サービスの利用者とその家族、訪問介護員の間に入り、パイプ役にもなる存在です。
具体的な仕事内容をひとつひとつ確認してみましょう。

ケアマネージャーと連携

ケアマネージャーから、新規利用者が希望する訪問介護サービスの内容や訪問時間の相談を受けます。
サービスの利用が始まった後も連絡を取り合い、必要なサービスの提案や見直しについて話し合います。

アセスメント(面談)

サービスの利用を考える高齢者宅を訪問し、高齢者の生活環境や健康状態などを確認します。

本人やその家族の求めるものが何で、そのためにどのようにサービスを提供すればよいかを確認します。
サービスの具体的な内容や契約の説明なども行います。

訪問介護計画書の作成

ケアマネージャーのケアプランとアセスメントの内容をもとに、訪問介護計画書(介護予防を含む)を作成します。

モニタリング

サービス開始後は、サービスが適切に行われているかどうかを、利用者やその家族に定期的に確認(モニタリング)します。

定期的なモニタリングをする中、必要があれば訪問介護計画書の見直しを行います。何か問題がある場合は利用者やその家族と話し合い、問題解決に尽力します。

訪問介護員への支援や指導

訪問介護員全体のリーダーとして、シフト管理や担当決め、情報共有などを行います。

訪問介護員が悩みや問題を抱えていたら、相談に乗ることもあります。適切な介護方法をアドバイスして、技術向上の手助けをすることもあります。

サービス担当者会議の出席

サービス提供責任者は、訪問介護事業所の代表としてサービス担当者会議に出席します。

サービス担当者会議は、ケアマネージャーが作成したケアプランの目標の共有と、想定されるリスクや課題について意見交換をする会議です。
ケアマネージャーや利用者とその家族、サービス提供責任者のほか、主治医や福祉用具事業者、リハビリ職員などの関係者が参加します。

そのほか

事務員がいない事業所では、月毎のサービス実績をまとめて介護報酬請求作業を行うこともあります。

時には訪問介護員に代わって利用者宅に赴き、実際に介護サービスを提供することもあります。

サービス提供責任者の活躍の場と配置基準

サービス提供責任者は、以下の場所で活躍しています。

訪問介護事業所

サービス提供責任者の職場はお伝えしているように、基本的には訪問介護事業所になります。

有料老人ホームなどと併設して訪問介護事業所を設けている場合もあり、そのような施設では、ケアマネージャーや介護職員だけでなく、たとえば看護師、調理師、受付といったさまざまな職種のスタッフと関わることもあります。

配置基準について

サービス提供責任者は利用者数が40人につき1人以上、常勤で配置することが義務付けられています
しかし下記の条件を満たす場合には利用者数が50人につき1人以上の常勤配置の特例が適用されます。

  1. 常勤のサービス提供責任者を3名以上配置している
  2. サービス提供責任者の業務に主として従事する者を1人以上配置している
  3. サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われている場合

サービス提供責任者の給料は?

厚生労働省の資料を見ると、サービス提供責任者の2021年の平均月給は327,020円となっています。この月給は賞与や手当なども含まれていますので、年収換算すると3,924,240円となります。

サービス提供責任者以外の訪問介護事業所で働く人の平均月収が296,770円、年収にすると3,561,240円ですので、年収で36万円以上変わることがわかります。

訪問介護事業所で働く人の平均月給(2021年度)
平均月給 平均勤続年数
サービス提供責任者 327,020円 8.7年
サービス提供責任者でない職員 296,770円 6.1年

参考:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果 161ページ

サービス提供責任者はこんな人に向いています

訪問介護事業所の要であるサービス提供責任者には、どんな人が向いているのか確認してみましょう。

コミュニケーションが得意な人

サービス提供責任者は、ケアマネージャーや利用者とその家族、訪問介護員の間に入り、多くのコミュニケーションを取ります。

希望するサービスが適切に実施されるには、ヒアリングや打合せも重要です。そのため、コミュニケーションが得意な人は向いているといえるでしょう。

客観的に全体を見渡せる人

サービス提供責任者は、利用者の希望はもちろん関係者や訪問介護員の立場も尊重できるような、一歩引いて客観的に全体を見渡せる能力があると適任です。

サービス提供責任者は訪問介護員のスケジュール管理だけでなく、訪問介護員の得意分野と利用者の求めているサービスが合致するよう、担当者を決めていきます。
このような業務にはマネジメントスキルのほか客観性も求められます。

リーダーシップのある人

サービス提供責任者にはチームワークを構築していくリーダーシップがあると良いでしょう。

サービス提供責任者は訪問介護員のまとめ役でもあります。
定期的に情報共有を行ってお互いの意識を高めたり、サービスの質を向上させるにはどうすればよいかを話し合ったりします。

全員が能力を発揮できるよう働きかけるようなリーダーシップがある人は、サービス提供責任者に適任といえるでしょう。

* 「ケアマネージャー」の表記について:厚労省や地方自治体による文書では「ケアマネジャー」が正式な表記とされていますが、当サイトでは、現在一般的に使用されていることから「ケアマネージャー」を使用しております。

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