介護・福祉・医療資格講座紹介
ケア資格ナビ> 介護老人保健施設ガイド
地域のリハビリテーションの拠点として、在宅復帰を目指す人のために設置されている「介護老人保健施設」。介護老人保健施設で働くために必要とされる職種や、その職種に就くために取得しておくと有利な資格とは、どんな資格でしょうか。 まずは介護老人保健施設の役割や仕事内容を確認していきましょう。
「介護老人保健施設」は「介護老人福祉施設」「介護医療院」「介護療養型医療施設」と同様、介護保険施設の1つです。
症状は安定していても自宅に帰るには、もう少しリハビリテーションが必要な人のために、専門的なリハビリテーションプログラムを提供します。
入所者の人数が多く、医療的なケアも行っているので、多くの職種のスタッフが勤務しています。医師・看護師・ケアマネージャー・支援相談員・機能訓練士などは必ず配置しなければならない職種ですが、口腔ケアを充実させている施設では歯科衛生士が勤務しているなど、施設ごとの職種を見れば、どんなことに重点を置いているかが分かります。
介護老人保健施設の特徴であるリハビリテーションにおいては、施設ごとに取り組み方が異なります。集中的にリハビリテーションの実施ができる施設(短期集中リハビリテーション加算を取得している施設)では機能訓練指導員を多数配置して、入所後3カ月間、週に3回以上の個別リハビリテーションが実施できる体制を整えていますが、短期集中リハビリテーション加算を取得していない介護老人保健施設では、週に2日程度のリハビリテーションが行われます。
このような施設において介護職員は、リハビリテーションの時間以外の入所者の食事や入浴、レクリエーションや休憩の時間に業務を行います。
また多床室がメインの「従来型」の他に、近年においては個室で10部屋程度をユニットにする「ユニット型介護老人保健施設」が人気なので施設数が増えています。個人を尊重する生活スタイルは一人ひとりの空間が広くなるため、介護職員は入所者に事故がないよう、見守り業務が大切になります。
勤務時間 |
・シフト制勤務(早番/遅番/夜勤など) ・週休2日制 ・年間休日110日前後 |
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勤務形態 |
・正社員 ・パート |
給与 |
・正社員:月給16万円前後~ ・パート:時給900円前後~ ※上記は介護職員の場合 ※職場により別途資格・時間帯手当あり |
就業する際の条件 |
・無資格でも就業可能 ・役職を目指す場合は資格が必要 |
特徴 |
・在宅復帰を目指すため、日常生活におけるリハビリを行う ・報告書記入など事務的業務もあり |
参考::厚生労働省 平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
介護老人保健施設は入所者が在宅復帰を目指すため、施設ごとに一定の入所期間が設けられています。そのため、入退所が比較的頻繁に行われています。限られた入所期間の中で機能回復訓練や日常生活にまつわる動作の反復をいかに意欲的に行えるか、介護職員による環境づくりは入所者に影響を及ぼします。
介護老人保健施設には、病院と連携して運営されている施設とデイケアが併設されている施設があります。
病院と連携して運営されている施設
入所者の情報共有など連携が緻密なので、その情報をもとに、介護職員は入所者の生活の安定に注力することができるでしょう。
デイケアが併設されている施設
退所後の連携を保つことに気を配ります。退所後は入所者も家族も精神的に不安がつのるので、これまでの施設内での生活で、気になった点や注意しておかなければならない点などをデイケアのスタッフへ伝達する必要があります。
このような特徴を踏まえると、自分の目指す働き方に合う職場を選ぶことができるでしょう。
介護老人保健施設の介護職員には、さまざまな業務があります。
朝の入所者の身支度に始まり、食事の配膳、入浴介助など。食後には与薬や口腔ケアを行います。
個々の食事量や排せつ量など、随時記録を残しておく事務的な作業もあります。
その他、レクリエーションや散歩などを行って、ストレスがないよう生活に潤いを与えることも介護職員の業務です。
下記は介護老人保健施設のある一日の流れです。
Topics:介護老人保健施設退所後について
介護老人保健施設は入所者の在宅復帰支援の機能を担っていますが、入所者の在宅復帰後の療養支援として、デイケアなどの通所系サービスを併設する介護老人保健施設が見受けられるようになってきました。
併設することで自宅に帰っても、入所時と同じ敷地内にあるデイケアに通うことができ、入所者や家族の不安を和らげるメリットになります。
退所した利用者の不安を取り除けるよう、介護職員は頻繁に声掛けをするなど、配慮することが求められます。
介護老人保健施設では、介護職員の他にも活躍している職種の人がいます。どのような職種の人が活躍しているのでしょうか?
またその職種に就くためには、どのような資格が必要なのでしょうか?確認してみましょう。
職種 | 資格など |
---|---|
管理者 | ・常勤で専ら当該介護老人保健施設の職務に従事する (知事の承認を受けた場合は医師以外の者に管理させることができる) |
ケアマネージャー | ・ケアマネージャー*の資格が必要 |
介護職員 | ・無資格でも勤務できるが、介護職員初任者研修または実務者研修、介護福祉士のいずれかの資格があると良い |
支援相談員 | ・特に必要な資格要件なし ・利用者や家族からの相談業務を請け負う |
医師 | ・医師の資格が必要 ・医師としての仕事の他、施設全体を見守る存在 |
看護職員 | ・看護師・准看護師の資格が必要 ・医師と連携し、入所者の健康管理を行う |
理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 |
・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士それぞれの資格が必要 |
薬剤師 | ・薬剤師の資格が必要 ・医師の指示のもと、薬を処方する |
栄養士 | ・栄養士の資格が必要 ・入所者の健康状態を把握し、調理員と連携して献立を整える |
調理員 | ・栄養士の指示のもと、献立を調理する |
事務員 | ・事務的な窓口業務を行う ・介護保険に関する業務を行う |
* 「ケアマネージャー」の表記について:厚労省や地方自治体による文書では「ケアマネジャー」が正式な表記とされていますが、当サイトでは、現在一般的に使用されていることから「ケアマネージャー」を使用しております。
下記のような資格を取得すると、介護職員としての仕事の幅が広がることはもちろんのこと、支援相談員やケアマネージャー、管理者へのキャリアアップも目指すことができるようになります。
介護の資格 | ポイント | 講座資料 |
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介護職員初任者研修 (初任者研修) |
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実務者研修 |
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介護福祉士 国家資格 |
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ケアマネージャー |
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社会福祉士 国家資格 |
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介護事務 |
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* 自治体によって要件が異なります。詳しくはご確認ください。