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ケア資格ナビ> 介護事務ガイド> 総合事業「みなし指定」の介護サービスとは?
2015年4月の介護保険法改正により、要支援に認定されている人の「訪問介護」や「通所介護」を、市町村の「介護予防・日常生活支援総合事業」(総合事業)に移行することが決まりました。2017年4月から実際の介護サービスはすでにスタートしています。
総合事業は団塊の世代が高齢になり、2025年には3,657万人に増加すると予想されていることを受けて、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を実現しようとするものです。
これら新事業導入にあたっては、新制度へ円滑に事業が移行されるよう「みなし指定」の措置が施されています。
みなし指定とは、総合事業導入にあたり、市町村の事務負担の軽減と円滑な介護サービス提供を図るために設けられました。
2015年3月末までに介護予防サービスの「訪問介護」「通所介護」の指定を受けている事業所は、介護サービス事業所としてみなされます*1。
健康保険法の保険医療機関(病院・診療所・薬局)についても、申請を行わなくても介護保険法による居宅療養管理指導などの医療系サービスの事業者として指定されたものとみなされます*2。
保険医療機関のみなし指定では、以下のような介護サービスがあります。
対象 | 健康保険法により「保険医療機関」の指定(更新した場合を含む。)を受けた 病院・診療所 |
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介護サ-ビス | (介護予防)訪問看護 (介護予防)訪問リハビリテ-ション (介護予防)居宅療養管理指導 (介護予防)通所リハビリテーション |
介護サービス | (介護予防)居宅療養管理指導 |
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対象 | 健康保険法により「保険薬局」の指定(更新した場合を含む。)を受けた薬局 |
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介護サ-ビス | (介護予防)居宅療養管理指導 |
自宅で過ごしたいという高齢者のニーズに応え、保健医療機関の中でも「訪問看護」や「居宅療養管理指導」のサービスを行う機関が増えてきています。
* 1 原則として事業所が拒否をしない限り、基本的には申請しなくとも介護サービス事業所としてみなします。
* 2 総合事業の詳細は市町村ごとに内容が異なるので、詳しくは各市町村のホームページなどを確認してください。
「居宅療養管理指導」とは自宅で療養していて、通院が困難な場合に医師・歯科医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・歯科衛生士などが訪問して、療養上の管理や指導助言を行う介護サービスです。
「居宅」は自宅以外でも、グループホームや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などで認められています。
入居期間に制限が設けられている介護老人保健施設などは認められないので、そのような施設では、介護サービスとして居宅療養管理指導を算定することはできません。
例えば、介護老人保健施設で訪問歯科を利用した場合は医療保険での支払いとなります。
このサービスを利用すると、体調に不安のある高齢者へのケアを定期的に行うことができるので、利用者や家族にとっては安心できる介護サービスです。できるだけ自宅で生活したい人へのニーズに、保健医療機関が応える形となっています。
実際に医師や看護師がこれらのニーズに対応していることと並行して、医療事務の人も院内で行っていた医療保険請求事務だけでなく、新たな知識が必要となる時代になってきています。
介護事務の知識があると、病院に勤務している人なら訪問看護や居宅療養管理指導の場面で、歯科医院に勤めている人なら訪問歯科の場面で役に立ちます。
保険医療機関が介護保険のサービスの範囲で訪問看護や訪問歯科を行うようになる前に、介護保険や介護事務に関することを学んでおくと、業務内容に変更があってもスムーズに対応できることでしょう。
新たな知識を吸収したい人は、ぜひ介護事務の講座を利用して学んでみましょう!
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