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介護福祉士国家試験はこれでバッチリ!現役講師による受験対策

Takasakifukushi Kaifukutaisaku
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インタビューにご協力いただいたのは

秋山 巌(イワオ)先生
講師としてのモットー
「難しいことをわかりやすく・わかりやすいことを面白く」
「合格する(うかる)話とウケる話をする」ことがモットーです。
「何を覚えて、何を覚えなくていいのか?」という勉強のコツや、受験の際の「割り切り」の仕方など、合格のためのテクニックを伝授します!

介護福祉士国家試験対策その1 試験内容と傾向・対策を知ろう

Q.介護福祉士国家試験の試験内容と範囲を教えてください。

試験内容は
①人や制度を理解する科目
②利用者のこころやからだを理解する科目
③生活支援技術などの介護福祉士の仕事を理解する科目
④医療的ケア
⑤総合問題

などです。

とにかく勉強すべき内容の範囲が広いです。2016年度の第29回試験で言えば、「介護保険法」からマニアックな「生活困窮者自立支援法」などの制度の問題、脳の記憶をつかさどる海馬など人体(理系)の知識まで縦横無尽に出題されます。ですから、受験する皆さんはこれからいろいろなことを勉強していってほしいのですが、「何を覚えればいいか」とともに「何を覚えなくていいか」もしっかり考え、勉強してくださればと思います

もちろん、テキストなどに掲載されているものは全部出題の可能性があるので「それは出ない」とは私たち講師は絶対に言いません。しかし、あまりにマニアックなことばかりを勉強したりキレイなノートを作ることにこだわってしまい、重要なことをおろそかにしてしまっては合格が遠のいてしまいます。どこが重点的に出題されるかということは、長年受験対策をやっていれば、ある程度分かってきます。

Q.どこが重点的に出題されるか、介護福祉士国家試験の傾向と対策を教えてください。

これから皆さんは介護福祉士になるわけですが、法律で介護福祉士が守るべきことが「社会福祉士及び介護福祉士法」に定められているのです。介護福祉士になるのに「介護福祉士が何を守るべきか知らなかった」、「何をすれば罰せられるか知らなかった」では大変なことになります。ですから、介護福祉士国家試験ではたびたび「社会福祉士及び介護福祉士法」は出題されます。実際に第29回試験でも出題されました(医療的ケア 問題109)。

このように、何を覚えるかを知ることが重要ですが、逆に第29回(問題57)の、和食の基本的な配置(主菜がどこで副菜がどこで)というのは、そこまでは覚えなくても合格できるんです。それが解けるまで生活支援技術に力を入れてしまうと、他の科目がおろそかになる可能性が高い。このように何を覚えるか、何を覚えないかをよく考えながら学習する必要があると思います。

何を覚えて、何を覚えないかを知るには、お近くに介護福祉士国家試験の受験対策講座を開催しているスクールがあれば、そちらに通われるのが一番手っ取り早いです。お近くにスクールがない場合や金銭面や仕事の忙しさなどで通えなければ、過去問学習でもある程度は何を覚えるべきか、傾向を知ることができます。過去問を直近数年分見渡せば、介護保険や障害分野の出題頻度の高さを知ることができます。出題頻度の高い分野が分かればそこは勉強すべき分野ですから、重点的に学習を進めていってください

介護福祉士国家試験対策その2 第29回試験の出題傾向を知ろう

Q.最近の試験の出題内容の傾向などあれば教えてください。

最近特に目立つのが障害分野の出題の多さですね。第27回の国家試験から障害分野の問題の多さが目立ってきています。受講生の皆さんは多くが高齢分野で働いており、「障害分野はイメージが湧かない」ということで、当校では1日限定で障害分野を特集した合格ゼミを開催し、対策を強めているところです。

第29回も「障害者総合支援法」が4問出題されるなど、障害分野の多さが目立ちました。このことから、障害分野の出題の多さはもはや一般化したと言って良いでしょう
身体・知的・精神(発達障害含む)などの障害について、重点的な学習が必要です。特に、自分が高齢分野で働いており、障害分野で働いていない方は十分な学習を行ってください。その際に、特に出題される傾向が高いのは障害者の方への対応ですね。視覚障害の方への対応や、発達障害の方への対応などをより意識して学習してみてください

障害分野の出題が増えた理由

では、なぜ障害分野がこれほど出題されるのでしょうか。介護福祉士は介護分野で唯一の国家資格で介護の専門家です(他職種と連携はしますが)。「自分が働く高齢分野のみならず、障害者支援のプロフェッショナルでもあってほしい」という国(厚生労働省)からのメッセージだと思います。皆さんも将来、どのような障害を抱えた方の支援をすることになるのか分かりません。

私は大学病院の看護助手時代、全盲でまったく耳も聴こえない車いすの方の介護をしたことがあります。ただ、その方は私がクロックポジション(時計のように食事を配置する、視覚障害のある方向けの介護の手法のひとつ)に食事を配置し、手のひらにその配置を筆談すると、「わかりました」と言って後は自立なさって食事を完食されていました。
介護している私の方が「この方はここまでできるようになるまで、どれだけリハビリなさったんだろう」と感動したものです。

このようにさまざまな障害を持つ方を支援することもあるわけです。 ですから、 介護福祉士は、高齢分野だけでなく、障害分野も十分に理解しておく必要があります

Q.第29回より「医療的ケア」が出題に加えられましたが、対策はどのようにしたら良いでしょうか?

第29回は「医療的ケア」について当初難易度がわからなかったため、「医療的ケアが5問中0点で不合格」という危険な科目群となり、当校も必死に対策しました。受講生には100問近い予想問題を作成し、提供しました。これだけの数の予想問題を用意したのは全国でも数少ないと思います。
そんななか、ズバリ的中した問題も事前に受講生には解かせることができました。5問中3問がズバリ的中です!(問題109、111、112)

「医療的ケア」の対策

さて「医療的ケア」の出題内容についてですが、(問題109)で「介護福祉士が「医療的ケア」である喀痰吸引を行うことができる根拠法が「社会福祉士及び介護福祉士法」である」という出題がなされたことが典型的で、現在のところ非常に基本的な内容です。

これらの対策は市販の各社テキストでも十分ですが、より確実なのは皆さんが受講した「実務者研修」のテキストの「医療的ケア」の巻を読み直すことです。そのテキストに、各章のまとめがあれば、そのまとめを改めて読み直し、忘れている内容があればその部分のテキストの内容を読み直してください。それで対策は十分です。

介護福祉士国家試験対策その3 合格に繋がるテクニックは?

Q.筆記試験受験における心構えを教えてください。 筆記試験の合格基準は、総得点の60%程度(難易度により補正あり)で、かつ11科目群のすべてで得点しなければならないとされていますが。

合格基準について

ひとこと言っておきます。1群でも0点があったら不合格ということを、いたずらに恐れることはやめましょう。1群に0点があり、不合格になる人は毎年ほんの少ししかいません。考えてみてください。5肢択一なら、5問問題があれば、めちゃくちゃにマークしても確率論的には0点にはならない。確率論的には1点は取れるのです。あくまでこれは例えですが、試験本番となれば皆さんはめちゃくちゃになんてマークしない訳で、1群で0点を取ってしまって不合格になるということはまずありません。

ですが、第29回に限っては懸念がひとつありました。「医療的ケア」です。私は「医療的ケア」は「こころとからだのしくみ」と1セットで1科目群となるのではないか、と予想していました。法律の書き方もそうでしたし。私は「こころとからだのしくみ」+「医療的ケア」の合計17問で1科目群と予想をしました。ですが、実際はそれを裏切って「医療的ケア」は独立した科目群として5問で1科目群であり、最少の問題数で0点を取れば不合格になるという大変危険な分野となりました。

受講生にはしっかり学習するようアナウンスしましたが、私の不安・心配は杞憂に終わりました。「医療的ケア」の問題の難易度は非常に優しく、基本的で、実務者研修修了者であれば5問中0点という結果はあり得ない難易度だったからです。必ず1点は取れる内容でした。ですので、1群でも0点があったら不合格ということを必要以上に恐れないで大丈夫です。

Q.受験に向けて、どのような勉強方法や受験対策が効果的でしょうか?

勉強のコツ

介護福祉士国家試験の勉強のコツのひとつは「割り切り」をしっかりすることです。私は受講生に分かりやすくするために、介護福祉士国家試験を3分割します。

  • 40点:これまでの介護経験や一般常識で解ける
  • 45点:しっかり勉強しないと解けない
  • 40点:勉強しても解けないかもしれない。応用力も必要

私はまず「上の40点は言わば「誰でも解ける問題」です。そこできっちり点数を取って、残りの「勉強すれば解ける45問」をしっかり解けるようにこれから勉強しましょう」と言います。そうすれば85点は取れます。介護福祉士の合格基準は60%ですので、125問中75問で合格点です。85点を取れば、6割の75点を軽々超えますので楽々合格です。ですから「85点をしっかり取って全員合格しましょうね」と言います。

同時に「40点(少なくとも26点)は誰も解けないような問題も出ます」とも言います。第29回の場合、少なくとも26問はテキストにも載ってない問題が出ました。この誰も解けないような問題で悩んで時間を使ってしまうと「時間はかかるがしっかり考えれば解ける問題」に回す時間が取れなくなります。

第29回試験では(問題102)が典型的で、「ある寝たきりの女性の1日の必要エネルギー量を計算する」という問題がありました。すべて数値は与えられているから、落ち着いて時間があれば中学生の頃に教わった知識で誰でも解けます。ですが、時間がなければそのような問題も手につかず難問に見えてしまい、点数を取れない事態になりかねません。

また、第29回試験では、理学療法士や看護師の勉強をしている人でなければ解けないのではないか、と思われる難問も出題されました。例えば(問題43)の「頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)の利用者の更衣について」などです。このような問題が出題されると、学力が高い人ほど「よく考えれば解けるはず」と時間をかけてしまいます。その結果時間がなくなり、本来の実力を発揮できず終わってしまうことが多いのです

その上こういう問題にぶつかると「今年から傾向が変わった。私の勉強は無駄だった」と心が折れてしまう人もいます。ですから、皆さんが介護福祉士国家試験を受験するうえで重要なのは、前述した「割り切り」なんですね。

受験テクニック

「介護福祉士国家試験は誰も解けない問題が必ず出る」と普段から心構えをしておきます。そしていざ本番になったら、そういった問題には動じずに飛ばして後に回し、最後に時間が余ったら解くようにする。そのような受験テクニックも必要になります。ですから、受験勉強では、そういったテクニックも学ばなくてはならない。

当校では、わざと解けない問題も模擬試験に入れ、そういった「割り切り」を身につける練習もさせています。皆さんもお近くのスクールの模擬試験や、在宅でも受けられる模擬試験などもありますから、そのような視点で模擬試験を受けられたらいかがでしょうか。そこでしっかり上述した「割り切り」「心構え」を作り、本番を迎えれば合格間違いなしです!

介護福祉士を目指す人に「ありがとう」と伝えたい

Q.介護福祉士国家試験の受験を検討されている方へメッセージをお願いします。

介護福祉士の受験を検討されている方へ、まずは「ありがとうございます」と言いたいです。介護職は決して楽な仕事ではないし、周囲からも理解してもらえやすい仕事でもないと思います。暑い夏のお風呂介助、寒い冬の夜勤明けの朝、辛い日もあると思います。私も一緒です。それでも介護という仕事を選んでくれて本当にありがとうございます、と伝えたいです

15年ほど前、ALS等難病患者の方のホームヘルプをやっていたときのことです。介護をしていると、別室の居間でご家族の方が話し合っていて「私ばかり負担が重い」「ヘルパーをやってくれる人がいない」と頭を抱えていました。私は胸が痛くなり、後日ご家族の方に「私が大学でヘルパー募集のビラを配ります」と提案したこともあります。
結局、「一般の大学の学生が介護などしない」とその話は無しになりましたが、15年ほど前はビラを配ってでも介護をしてくださる方を探さなくてはいけない状況だったわけです。それが、今はこんなにたくさんの方が介護に関心を持ってくださっている。その気持ちをお守りしたいと心から思います。

今、こちらのサイトを見て、介護福祉士を検討されている皆さんは私にとって宝物です。心からありがとうと言いたい。そして、そんなあなたが望むなら、どんなに勉強が苦手でも、勉強したのが何十年も前の自動車免許以来でも、私はあなたを介護福祉士にします。そのために、介護福祉士国家試験を合格させます。それが私なりの皆さんへのありがとうの形、感謝の証なのですから。

秋山先生のインタビューその1:現役講師が徹底解説!介護福祉士を取得するメリット>>

[取材協力]
藤仁館医療福祉カレッジ
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