介護・福祉・医療資格講座紹介
ケア資格ナビ> 介護福祉士ガイド> 介護付き有料老人ホームでの介護福祉士の仕事内容
インタビューにご協力いただいたのは…
国家資格として位置付けられている「介護福祉士」。介護福祉士は介護現場で利用者の介助を行ったり、施設や事業所でリーダーの役割を果たします。現在、介護付き有料老人ホームで働く右田通子さんにお話を伺いました。
まず居宅事業所で働くために「ホームヘルパー2級」*1を取得しました。その後、スクールに一週間ほど通い「ガイドヘルパー」を取得。「介護福祉士」は独学で取得しました。
*1 ホームヘルパー2級:2012年に「介護保険法施行規則」が改正され、現在ホームヘルパー2級の取得者は介護職員初任者研修の修了者とみなされています。
「ガイドヘルパー」は勤務先で資格を取得するための補助が出ると知ったからです。スキルアップにもなりましたし、自分のモチベーションも上がりました。実技の講習もあったため、今の自分には役に立っています。
「介護福祉士」は介護の仕事を始めてちょうど3年が経とうとしてたこともあり、タイミング的に受験要件*2を満たしていたので受験しました。
介護福祉士の受験時期は子どもたちはまだ小学生で、寝かしつけてから睡眠時間を削って勉強していました。体力的には消耗しましたが、短期集中で学習に取り組み、一回の試験で合格することができました。
*2 介護福祉士の受験要件について:2016年度の試験から実務経験ルートで受験するには、実務経験の他に実務者研修を修了することが必要になりました。
介護福祉士は介助業務のすべてにおいて関わりをもちます。食事の提供はもちろん、入浴介助・通院介助・外出介助など多岐に渡る業務があります。入居者様の生活が快適に過ごせるようなサポートを行っています。
介護スタッフとしての業務の他には、スタッフ全体をまとめるリーダーとしての業務もあります。私の勤めている施設は入所型の施設なので夜勤も行います。
私は施設内で「生活相談員」として勤務しているので、他の介護スタッフとの連携が上手くいくよう注意を払っています。ときには入居者様からの相談も受けています。月に一度は専門職が集まるスタッフ会議に参加し、その他には地域の福祉委員として「敬老のつどい」などの年間行事にも参加します。
10:00
出社
今日のスケジュールを確認します。
10:30
通院介助
入居者様の定期診療に付き添います。
11:30
昼食誘導・配膳他
入居者様をフロアまで誘導し、配膳します。
食事介助・後片付けも行います。
13:00
休憩
昼食をとるため、休憩に入ります。
14:00
外出レク
お花見など季節にあったレクリエーションを行います。
15:00
おやつ
入居者様をフロアまで誘導し、配膳します。
食事介助・後片付けも行います。
16:00
入浴介助
入居者様の入浴介助を行います。
17:00
PC入力・事務作業・清掃など
業務手順などを入力して、施設内の清掃を行います。
17:30
夕礼・申し送り
夜勤で入るスタッフに申し送りをして、大切な事項を共有します。
17:45
夕食誘導・配膳他
入居者様をフロアまで誘導し、配膳します。
食事介助・後片付けも行います。
19:00
退勤
さまざまな場面に直面し、大変なときもありますが「ありがとう」のひとことで頑張ることができます。介護のプロとして誰かの役に立つことができるところにやりがいを感じます。入居者様から昔の話を伺う時間がとても好きで楽しいです。
例えば介護拒否の強い認知症の入居者様に歯科受診していただく手順として、まずは入居者様に説明を行います。何の案内もなく歯科受診となると拒否されてしまう場合もありますが、歯科医師から言われていることを私からていねいに説明させていただき、スムーズに歯科受診が済んだことがあります。このように自分の助けで入居者様が嫌な思いをせずに済んだときなど、この仕事に就いて良かったなと感じます。
とても大変な仕事だと感じているようです。しかし誰にでも訪れる老後と病気のことを身近に感じるからこそ、命の大切さ、家族の大切さを理解してくれていると思います。
私が大変な仕事だと言いながらも「やりがいがあってとても楽しい」と話すので、福祉ボランティアにも参加してみたいと言ってくれています。
まずはさらなる介護技術の向上です。プライベート面では趣味である空手でマスターズの代表に選ばれることと、ホノルルマラソンを完走することです。
介護の仕事をまず3年続けることができたなら、一通りの経験を積むことができると思います。資格を取得し、ステップアップすることで、自分にも自信が持てるようになり、責任感も生まれてきます。そうすれば入居者様やそのご家族にも、専門職として適切なアドバイスが自然と行えるようになります。
実習生や新人職員に技術を教えていくことは、自分自身の勉強となり、介護の仕事がもっと好きになるチャンスでもあります。ぜひ介護福祉士資格を取得するために、一歩足を踏み出してチャレンジしてください。ご自分のためになる経験ができますよ!
取材後記
右田さんの軽やかな身のこなしは、日頃マラソンや空手で基礎体力を養っているためと感じました。介護の仕事は気配りやコミュニケーション能力の他、体力も必要です。趣味にも本格的に取り組まれている右田さんの今後のご活躍をお祈りいたします!