ケア資格ナビ> 介護福祉士ガイド
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更新日:2021年2月17日
介護福祉士は福祉の三大国家資格(社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士)のひとつで、介護系資格で唯一の国家資格です。
介護福祉士は一人で日常生活を送ることが困難な高齢者や障がい者に対して、身体介護や生活援助を行います。そのほか、現場のリーダーとして他の介護職員をまとめたり、医師や看護師、ケアマネージャーなどの他職種と連携を図ります。
介護福祉士は専門的な知識と技術を持つ介護現場の中心的な存在として、近年ますます重要な存在となっています。
国では、介護福祉士を介護職員の中心に据えることを目標とし、人材の確保と定着に力を入れています。介護福祉士養成スクールへの入学や実務者研修の受講にかかる費用を貸付したり、一定の条件を満たせば返還が免除になる制度も設けています。
また、2019年10月より技術や経験のある介護福祉士の処遇を改善する政策を実施しており、介護福祉士の月給は1年で平均約2万円程度上昇しています。
参考:厚生労働省ホームページ
介護福祉士の資格を取得するまでのルートは3つあります。
介護職員としてすでに働いている人は、1の実務経験ルートで受験することになります。
実務経験ルートは実務者研修修了者のほか、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修の両方を修了*1している人も受験することができます。
*詳細は(財)社会福祉振興・試験センターへお問い合わせください。
実務経験ルートで介護福祉士試験を受験する場合、以下の2つの要件を満たす必要があります。
介護福祉士を目指す人は、まずは実務者研修を修了しましょう。
実務者研修は約6カ月の研修で取得することができますが、介護職員初任者研修などの資格を持っていれば免除される科目があり、取得期間も短くなります。
介護福祉士の試験は例年1月に行われますが、試験が実施される前に実務者研修を修了する見込みがあれば、研修途中でも試験を申込むことができます。
なお、介護福祉士の受験要件となる「実務経験」には、無資格で介護業務を行った期間も換算されます。
「従事日数」については1日の勤務時間は問いませんので、パートなどで短時間働いた日も1日と換算されます。
介護福祉士の試験は年に1回1月に行われます。試験を受けるには実務者研修の修了と実務経験が必要ですので、計画的にスケジュールを立てましょう。 試験の概要は以下になります。
* 障害のある方など受験上配慮が必要な受験者、EPA介護福祉士候補者、EPA介護福祉士候補者以外の外国人の方などで希望した受験者は、1.3倍~1.5倍の定められた時間で受験することができます。
【筆記試験】 | |
---|---|
人間と社会 | 人間の尊厳と自立/人間関係とコミュニケーション/社会の理解 |
介護 | 介護の基本/コミュニケーション技術/生活支援技術/介護過程 |
こころとからだのしくみ | 発達と老化の理解/認知症の理解/障害の理解/こころとからだのしくみ |
医療的ケア | 医療的ケア |
総合問題 | 総合問題 |
【実技試験】 | |
---|---|
介護等に関する専門技能 | 介護福祉士資格を取得するルートによっては実技試験があります。 介護福祉士国家試験の実技試験が必要なのはどんな人?!>> |
15,300円
(財)社会福祉振興・試験センター
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-5-6 SEMPOSビル
介護福祉士国家試験の合格率は60%前後を保っていましたが、2017年に行われた第29回試験からは70%を超えました。これは受験条件に実務者研修の修了が義務付けられ、一定の知識を身に付けた人たちが臨むようになった結果とも言われています。
3年連続で70%台をキープしていましたが、2020年に行われた第32回試験では70%台を切る結果となりました。
合格率が70%前後あるので試験の難易度は高くないと言えるでしょう。しかし、受験要件を満たすまでには3年の実務経験と実務者研修の資格が必要です。そのプロセスを考えると、どなたでもすぐに簡単に取得できる資格ではないとも言えます。
受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | |
---|---|---|---|
第24回 | 137,961 | 88,190 | 63.9 |
第25回 | 136,375 | 87,797 | 64.4 |
第26回 | 154,390 | 99,689 | 64.6 |
第27回 | 153,808 | 93,760 | 61.0 |
第28回 | 152,573 | 88,300 | 57.9 |
第29回 | 76,323 | 55,031 | 72.1 |
第30回 | 92,654 | 65,574 | 70.8 |
第31回 | 94,610 | 69,736 | 73.7 |
第32回 | 84,032 | 58,745 | 69.9 |
介護福祉士試験に臨むには、幅広い分野の学習をする必要があります。
年に1回の試験でしっかり合格を勝ち取るには、スクール講座の活用がおすすめです。スクール講座を上手に活用すると効率的に学習でき、合格に近づきます。
スクールでは、最新の試験問題の傾向にいち早く対応してくれますので、もれのない試験対策ができます。受験対策講座のほか、弱点を補う直前対策講座や模擬試験などの講座も用意されています。上手に活用することで、合格に近づくことができます。
スクールの講座には通信講座や通学講座があります。ライフスタイルや自分の性格に合わせて講座を選ぶと、無理なく学習が進められます。
通信講座は、空き時間に自分のペースで効率よく受験勉強を進められるため、働きながら学ぶ人に人気です。講義DVDが用意されている講座では、自宅で自分が理解できるまで、繰り返し学習することができます。
通学講座では、わからない箇所をその場で講師に質問することで、すぐに解決することができます。つねに最新の情報を知ることができ、仲間とともにモチベーションを高めることもできます。通信講座で自分のペースで学ぶことに不安な人におすすめです。
介護福祉士の試験は毎年1月に行われます。実務者研修の修了が間に合わなかったり、万が一合格できなかったときには次の年まで試験は受験できません。スムーズに資格を取得するために計画的に学習を進めましょう。
モデルスケジュールを紹介しますので参考にしながら計画を立ててみてください。
7月頃までに | ・スクールの受験対策講座(6カ月)の申込・受講開始 ・実務者研修の申込・受講開始(未取得者) |
---|---|
8~9月 | ・介護福祉士試験の受験申し込み |
12月頃までに |
・実務者研修修了 ・スクールの直前対策講座や模擬試験の講座の申込・受講 |
1月 | ・介護福祉士国家試験を受験・合格 |
受験申し込みの8~9月にまだ実務者研修の研修中で修了していない人は、修了見込みとして受験を申し込むことができます。見込みで申し込んだ人は、実務者研修を修了後に期限日までに「実務者研修修了証明書」を試験センターに提出しましょう。
期限日までの提出がない場合、試験は無効になります。
介護福祉士は、介護の専門的な知識と技術を身に付けていると証明できる国家資格です。介護現場で活躍できることはもちろん、介護職員を取りまとめる現場のリーダーとしても活躍できます。
また、介護福祉士の資格は訪問介護事業所のリーダーと言える「サービス提供責任者」としても活躍できます。
介護福祉士の資格を取得すると仕事の幅が広がるだけでなく、給料ベースが上がったり資格手当が支給されることもあります。無資格者と比較すると、月給5万円以上も変わってきます。
保有資格 | 平均月給額(常勤) |
---|---|
無資格 | 275,920円 |
介護職員初任者研修 | 301,210円 |
実務者研修 | 303,230円 |
介護福祉士 | 329,250円 |
※上記平均月給は、基本給に手当や賞与などの一時金を等分して加算したものです。また、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所の給与になります。
介護福祉士の取得後は認定介護福祉士を目指すこともできます。認定介護福祉士は介護福祉士の上位資格で、さまざまな高齢者のニーズや環境に対応できる知識と技術を身に付けられる資格です。小チームの現場のリーダーたちに教育指導を行う役割も期待されます。
また、介護福祉士はケアマネージャーの試験を受験するために必要な国家資格の1つです。資格を取得後、介護福祉士として業務に5年(900日)以上従事すれば、ケアマネージャー試験の受験資格となります。将来的にケアマネージャーにキャリアアップを考える際には欠かせない資格です。
介護福祉士の仕事は、初任者研修や実務者研修の資格を持つ介護職員のように身体介護や生活援助をメインに行います。活躍の場も2つの資格と変わりません。
介護福祉士ならではの仕事としては、職場のリーダーとして現場の介護職員をまとめたり、看護師やリハビリ職との連携を図りながら、より良い介護を提供できるようにマネジメントを行えるところです。
おもな仕事内容は以下になります。
日本では高齢化がますます進み、2025年頃には介護人材が38万人不足すると言われています。このことから、国は介護職員を確保するために「介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士→認定介護福祉士」というキャリアアップのルートを示しました。介護職員が目標を持ちながら働き続けられる環境を整えることで、介護職員の定着を図っているのです。
介護ニーズは年々多様化し、一定のスキルのある介護職員もますます必要とされています。医療職やリハビリ職との連携ができ、現場のリーダーとしても活躍できる介護福祉士は、今後ますます求められるでしょう。
* 「ケアマネージャー」の表記について:厚労省や地方自治体による文書では「ケアマネジャー」が正式な表記とされていますが、当サイトでは、現在一般的に使用されていることから「ケアマネージャー」を使用しております。