介護・福祉・医療資格講座紹介
ケア資格ナビ> 実務者研修ガイド> 子どもを育てながら仕事できます!サービス提供責任者
インタビューにご協力いただいたのは
訪問介護事業所では2015年の介護報酬改正でサービス提供責任者の基準が緩和され、事業所ごとの利用者の数が要件を満たせば、50人またはその端数を増すごとに、1人以上の人を「サービス提供責任者」として配置できるという内容に変更となりました。
サービス提供責任者は訪問介護事業所でリーダー的な存在として介護職員をまとめ、利用者ともコミュニケーションを図る重要なポジションの仕事です。夜間サービスを行っていない訪問介護事業所に勤務するサービス提供責任者は、小さな子どもがいても昼間のみの勤務ができるので安心して働けます。
そのような訪問介護事業所で、2人のお子さんを持ち、子育てをしながらサービス提供責任者を務める浅井さくらさん(30代)に、経歴や職場での業務について伺いました。
第2子を出産後、1年ほどしか経っていなかったため、夜勤や早番、遅番のある施設勤務は難しく、比較的時間の融通が効く訪問介護に興味を持ちました。はじめ、登録ヘルパーとしての面接を受けましたが、子どもの入園する保育園が決まっていたこと、介護福祉士の資格を持っていたこと、介護の経験があったこともあり、面接官の方がサービス提供責任者としての勤務を薦めてくださったことがきっかけです。
昼間、療養型医療施設に勤務しながら夜間専門学校(介護福祉士養成校)に通学し、卒業と同時に資格を取得しました。*1
サービス提供責任者の主な仕事
サービス提供責任者は、以下のようなことが主な仕事です。
1カ月の業務
月初から月末までの業務は、以下のようなスタイルで動いています。
期間 | 業務 |
---|---|
月初(1日~5日頃) | 実績・モニタリング作成
国保作業 |
月中(15日~22日頃) | 利用者領収書・請求書作成送付
ヘルパー次月シフト作成 ヘルパーミーティング開催 |
月末(25日~31日頃) | ヘルパー次月シフト調整
ヘルパーのサービス実施確認 |
何年やっていても仕事に対して慣れたといった感覚がないことが、かえってやりがいにつながっているように思います。私は5年ほどサービス提供責任者として働いていますが、利用者様それぞれ生活歴や病歴が違えば家族関係も異なるので、同じようなことが起こることはほとんどありません。その度、状況に合った対応を求められるので勉強の毎日です。
訪問介護は一対一での介護なので、利用者様とヘルパーの相性も大事になってきます。事前訪問した際に利用者様の言動やお人柄、希望されるサービス内容などをふまえてヘルパーを決めていくこともサービス提供責任者の大切な仕事の一つです。何度かお付き合いのあるケアマネージャーさんから「いつも利用者さんにぴったり合うヘルパーさんを紹介してくださってうれしいわ」と言っていただいたとき、とてもうれしかったことがありました。
常に冷静で適切な判断・対応ができる人が向いているなと思います。小さなことから大きなことまで、日々いろいろなことが起こるので慌てることなく、最善の対処をすることが求められます。信頼関係を築くためにも利用者様、ご家族様、ヘルパーさんからの連絡・相談に対して、早急に対応をすることが大切です。信頼関係を築くことができたなら、利用者様やご家族様からの本音を聞くことができますし、ご利用者様のその後の生活の質が高まることになると考えています。
サービス提供責任者の仕事は、人と人との関わり合いの中でサービスを行っていくので、気をつかうことも多く、悩みがないとは言えない職業ではありますが、そのこと以上に利用者様やご家族、スタッフの笑顔が見られたときにはやりがいを感じ、今までの悩みが吹き飛ぶ仕事でもあります。
私自身、訪問介護に携わったことで学べたことがたくさんあります。サービス提供責任者としての経験を積むことは、ご自身の成長にもつながると思いますので、ぜひ挑戦してみてください。
--ひとつひとつ丁寧に答えてくださる浅井さんと会話しながら、さすがチーム内のバランスを考えて働いていらっしゃる方だなと感じました。物事ひとつに対しても的確に冷静に判断される浅井さん。今後のご活躍をお祈りいたしております。
*1 介護福祉士の取得方法は変更されています。ご確認ください。
*2「ケアマネージャー」の表記について:厚労省や地方自治体による文書では「ケアマネジャー」が正式な表記とされていますが、当サイトでは、現在一般的に使用されていることから「ケアマネージャー」を使用しております。