介護・福祉・医療資格講座紹介
ケア資格ナビ> 実務者研修ガイド> 実務者研修修了後のキャリアアップ体験談
介護福祉施設で働きながら実務者研修を修了した藤田さん(仮名・40代女性)。実務者研修修了することで仕事内容はどのように変わったのかを伺いました。
私は当初、介護福祉施設のヘルパーとして、パートタイマーで週4日間働いていました。介護の仕事を選んだきっかけは、祖父母の介護をしている母の姿です。母を見ているうちに、自分も人の役に立つことのできる介護の仕事に携わろうと思いました。今の職場は働きながら初任者研修などの介護の資格が取得できると聞き、自分のキャリアアップも視野に入れて応募しました。
初任者研修修了後は、賃金が多少(時給で数十円程度)上がりました。ですが仕事の内容は変わりません。施設利用者の食事の世話や排せつの介助、レクリエーションの準備、床ずれ防止のため寝たきりの方の体勢を定期的に変えるなど、主に現場での仕事がメインでした。
勉強した知識が役立ったことも多々ありましたが、時には自分の力が及ばない部分に歯がゆく思うこともありました。施設利用者は高齢者ばかりなので、喉の筋肉が衰えたことでよくたんを詰まらせる事態が起きるんです。私はたん吸引の知識や技術がないため、介護福祉士の上司もしくは看護師をその都度呼び、吸引作業の様子を見ているだけでした。
たん吸引に対する知識をもつ人が少ない施設でしたから、他の仕事で忙しい上司や看護師を呼び出すのは気が引けましたし、何も手伝うことができない自分を情けなく感じました。
勤めてから2年ほど経ち、さらにステップアップを図るために、実務者研修を受けようと思いました。そのころには子供も成長し、働く時間を増やすことができたので、今度は正社員を目指すことにしました。職場では実務者研修修了を目指すことに対し、上司やスタッフが皆好意的だったので安心して受講できました。
働きながら通信・通学講座で約4カ月。初任者研修を修了していたため、講習は130時間分免除されました。実務者研修には試験がないので、全講習内容の受講終了時に実務者研修の資格が与えられます。初任者研修のときよりも時間はかかりましたが、初任者研修よりさらに一歩踏み込んだ内容を学ぶことができました。
正社員採用が認められ、数か月後には現場を任される「サービス提供責任者」になりました。ケアマネージャー*と連携をとり、現場への指示出しや、新しく入ってきたヘルパーの育成にも携わることになりました。
今まで通り、現場に入って施設利用者の介助も行います。実務者研修講座受講時に医療的ケアについて学んだため、たん吸引に関する知識をいかすことができるようになりました。上司や看護師を呼ぶことに変わりありませんが、内容を理解できるため指示を受けアシスタント業務も行えます。今では急な事態に慌てふためくこともなくなり、応急処置など冷静に対処できます。仕事全体も前よりスムーズに回っています。
正社員になったことで、給与が月数万円から一気に跳ね上がり、以前よりやる気がぐっと湧いてきましたね! この資格を修了したことでサービス提供責任者になることができたので、仕事に対する責任感やモチベーションも変わってきました。介護現場を理解しながら適切な指示を出し、施設利用者に満足してもらうため、よりいっそう頑張ろうという気持ちで仕事に臨めます。
現場の仕事に加えて介護スタッフの管理など責任が増えましたが、スタッフや上司に信頼され、待遇も良くなり、やりがいのある仕事を前に毎日が充実しています。将来は介護福祉士の国家試験にも挑戦したいです。
実務者研修は初任者研修を修了していなくとも研修講座の受講で取得できるので、これから介護の仕事を始めたい人は気負うことなく自身のキャリアアップを目標に、どんどんチャレンジして頂きたいですね!
* 「ケアマネージャー」の表記について:厚労省や地方自治体による文書では「ケアマネジャー」が正式な表記とされていますが、当サイトでは、現在一般的に使用されていることから「ケアマネージャー」を使用しております。