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ケア資格ナビ> 医療事務ガイド> 医療事務を働きながら取得するには?効率的に取得するためにあらかじめ知っておくべきこと
医療事務の資格を働きながら取得しようと考えている方は多いかもしれません。
実際、医療事務の資格は働きながら取得する方も多く、仕事をしながら資格取得を目指すことは十分可能です。
ただし、働きながら医療事務の資格取得を目指す場合は時間が限られるため、無駄を省いて効率的に勉強しなければなりません。
そのために、働きながら資格取得を目指すなら知っておくべきことを紹介します。
医療事務の資格には複数の種類があります。それぞれにおいて、資格取得の難易度と必要とされる学習時間が異なります。
以下で各資格の合格率を紹介しますので、難易度の目安として参考にしてください。
働きながら医療事務の資格を取得する際、勉強時間の確保が課題になるという意味で、必要な学習時間が長いほど難易度が高くなるといえます。
どの医療事務の資格にすべきか決めかねていて、学習時間の確保がどうしても難しそうだという方は、合格率の高さや目安となる学習時間も考慮して、受験する資格を選ぶとよいでしょう。
資格名称 | 合格率 | 学習時間 |
---|---|---|
診療報酬請求事務能力認定試験 | 30% | 350~600時間程度 |
医療事務管理士(R) | 50% | 350~450時間程度 |
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R)) | 70~80% | 200時間程度 |
医療事務認定実務者(R) | 60~80% | 200時間程度 |
医療事務検定試験 | 88% | 100~200時間程度 |
ここでは、医療事務の各資格を「働きながら医療事務を目指す」という視点で見た結果、おすすめできる資格を理由とともに紹介します。
ただし、最終的にどの医療事務の資格にするかは、ご自身の経験と、学びたいレベル・求人が求めているレベルなどから判断しましょう。各資格において、それぞれ学ぶ分野や求められる知識の深さなどを確認し、受験資格を選択することが大切です。
先述の合格率(難易度)と時間についても同様ですが、以下で紹介するおすすめのポイントも参考としてご確認ください。
診療報酬請求事務能力認定試験は、医療事務の資格の中で最も難易度が高いといわれています。合格率も低く、必要とする学習時間も多くなっています。
難関試験と言えますが、資格取得後の転職活動では有利になったり就職後の給与面で優遇されたりする可能性があります。
すでに医療事務として働いている場合でも資格手当により月給や年収がアップすることが期待できるでしょう。
試験日 | 年2回(7月、12月)、日曜日または祝日 |
---|---|
種目 | 学科試験、実技試験 |
医療事務管理士(R)は、合格率が50%となっており、医療事務の資格の中では難易度も比較的高い資格です。
しかし、インターネット試験がある点が魅力です。インターネット試験であれば好きな時にいつでも受験可能です。
土日休みではない職場で働いている方でも、受験しやすい資格といえるでしょう。
試験日 | 在宅受験:毎月(毎月第4土曜日翌日の日曜日) インターネット試験:好きな時に受験可能 |
---|---|
種目 | 学科試験、実技試験 |
参考:技能認定振興協会
メディカルクラーク(R)には「試験科目免除制度」があります。3科目すべてを受験し得点率70%に達した科目は、6ヶ月間受験免除となります。
働きながら取得を目指す場合は勉強時間が限られますが、半年間は不合格だった科目に集中できるため、効率的に資格取得を目指せるでしょう。
試験日 | 医科:年12回(毎月) 歯科:年6回(5月、7月、9月、11月、1月、3月) |
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種目 | 実技Ⅰ、学科、実技Ⅱ |
医療事務は短大や大学で学び資格取得を目指す方法もありますが、働きながら資格取得を目指す方法として、以下で3つの方法をメリット・デメリットとともに紹介します。
メリット | デメリット | ||
---|---|---|---|
独学 | 自分のペースで学べる 費用を抑えられる |
テキスト選びが難しい 実技を習得しづらい |
|
スクール 受講 |
通学講座 | わからないことをすぐに質問できる モチベーションを保ちやすい 医療事務のリアルな現場のエピソードが聞ける |
決まった曜日や時間で拘束される |
通信講座 | 自分のペースで学べる 映像を繰り返し視聴できる |
通学講座と違って、すぐ質問ができない |
それぞれについて、詳しく確認していきましょう。
医療事務の資格は受験資格がないものがほとんどで、実務経験も問いません。そのため、独学で資格取得を目指すことが可能です。
独学は自分のペースで学べるため、働きながら勉強する方にとってメリットが大きい方法でしょう。
また、スクールの受講料がかからないため、その分費用を抑えられます。
ただし、テキスト選びに苦労するかもしれません。医療事務では以下のように学習内容によってテキストが異なります。
試験内容を網羅するには、どれか一冊ではなくそれぞれの分野において参考書を用意することになります。
初心者だとどれがいいかわからず自信を持ってテキストを選べない可能性があります。
また、医療事務の試験には、レセプト(診療報酬明細書)を作成する実技試験がありますが、診療報酬の点数表の読み方などに苦戦する方も多いようです。
独学の場合わからないことを確認できないため、曖昧なまま試験日を迎えてしまう可能性があります。
通学講座のメリットは、わからない点は講義中に質問でき不明点をすぐ解消できることです。また、資格取得を目指す仲間と一緒に学んでいくため、モチベーションを保ちやすいでしょう。
また、スクールの講師陣は、実際に医療事務で働いた経験を持つことも少なくありません。
学んだ知識を現場でどのように活かせるのかを聞けるため、イメージとともに知識を定着させられる可能性があります。
通学講座の場合曜日や時間が固定されます。働きながら資格取得を目指す方には、残業やシフト変更などにより通いづらいと感じる方もいるかもしれません。
しかし、強制的に勉強する時間を確保できるため、試験日までスケジュール通りに勉強を進められると前向きに捉えることもできます。
通信講座は、自分のペースで勉強を進められる点がメリットです。
テキストはスクールで準備されたものを使用するため、独学の場合のようにテキストの選び方がわからないと悩むことはありません。
また、DVDやWeb動画など映像を視聴して学ぶ通信講座であれば、不安な点を繰り返し学べます。
スマートフォンでも視聴できるようにしておけば、通勤中や仕事の合間などの時間も勉強時間として有効活用できるでしょう。
通信講座のデメリットはわからない点をすぐ質問できないことですが、メールで質問が可能です。
時間差はありますが不明点は明らかにして受験できるので安心です。
医療事務を学べるスクールは複数あります。スクールを選ぶ際迷ってしまう方も多いかもしれません。
ここでは、選び方のポイントを2つ紹介します。
スクールによって開講時間は様々です。仕事に支障をきたさず受講できるコースがあるスクールを選びましょう。
コースとしては以下のようなものがあります。
一回の受講時間によって、受講期間が異なります。
「仕事がきついため期間が長くなっても週1で学んでいきたい」「できるだけ短期間で学びたい」など、希望に添いながら無理なく学べるコースを選択しましょう。
スクールでは、学習サポートの制度があることがほとんどです。自分にとって必要なサポートを受けられるスクールを選びましょう。
学習サポートの内容はスクールによって異なりますが、例えば以下のような制度があります。
学習サポートにどのような制度があるのか、またその内容について、詳細をスクールに確認しておきましょう。
独学でも医療事務の資格取得は目指せます。その場合に気をつけたいポイントを3つ紹介します。
医療事務の「診療報酬点数」は、2年に1度大きな改正が行われます。スクール受講では最新情報を教えてもらえますが、独学の場合は自分で調べなければなりません。
法改正による対応を行わないとせっかく学んでも知識を活かせず試験対策ができません。法改正によって、どこがどのように変わったのかを確認し、学習を進める必要があります。
医療事務は複数の分野に分かれていますので、分野ごとに学習スケジュールを立てるといいでしょう。
例えば、やるべきことを以下のように分け、勉強スタート日から試験日までの日数を当てはめてスケジュールを立てるという具合です。
試験日をターゲットとして最初に計画を立てておくと、スケジュールの調整がしやすくなります。
進捗を把握できるため、予定通りに勉強が進んでいない時点で、スピードアップすべきだとすぐ判断できます。
独学の場合、上記で紹介した学習の目安時間よりも長く見積もっておくことをおすすめします。
独学の場合、自分が不得意な分野に時間を割いて丁寧に学習できますが、その分知識習得に多くの時間がかかる可能性があるためです。学習スケジュールは、余裕を持って立てるとよいでしょう。
医療事務は、専門用語や知識を習得する必要があるため、スクールの講座を聴講するだけでなく、自主学習時間を確保しましょう。
ここでは、レセプトの作成を例に挙げて説明します。
レセプト作成は、医療事務の仕事の中で知識を要する業務です。
レセプト作成とは診療行為の保険点数を確認して金額を計算し、各関係機関へ診察報酬の請求を行う業務のことです。保険点数は診療行為ごとに決まっています。
保険点数は「診療点数早見表(早見表)」に掲載されているため覚える必要はありませんが、どこに何が載っているかを把握しておくことが大切です。
医療事務の試験は「テキスト持ち込み可」であることがほとんどですが、レセプト作成に関する問題において、点数表を使いこなせなければ答えは手元にあっても時間切れで問題が解けなかったという事態になりかねません。
答えは早見表にあるものの、膨大な情報の中から該当箇所を探すことからはじめるため、掲載箇所がわからなければ探すのに時間がかかってしまいます。
そこで、自主学習の時間を確保し、試験日までに早見表を使いこなせるようになっておくようにしましょう。
早見表にインデックスで見出しをつけたり、あとで見返してわかるように略語にはメモを残しておくなど、試験対策しておくことをおすすめします。
別業界で働きながら医療事務の資格取得を目指す場合、就職についてサポートのあるスクール受講がおすすめです。
中には就職をサポートする専門部署があるスクールがあります。職場探しはもちろん、履歴書の添削や面接の対応方法に至るまで相談できます。
また、就職後であっても、不安なことや困ったことがあれば相談できる場合があります。
資格取得後、医療事務の仕事に就くことを目指している方は、無料で就職サポートを受けられるスクールを選ぶとよいでしょう。