ケア資格ナビ> 特集記事> 介護職員が行う爪切りについて 爪ケアの重要性をインタビュー

介護職員が行う爪切りについて 爪ケアの重要性をインタビュー

Saloninfo

--これまでのご経歴を教えてください。

もともと自分の爪にアートをするのが好きだったことからネイルを勉強し、ネイリストとして働いていました。 そんな中、介護施設から要望があり、施設を訪問してご希望のあるご利用者様への爪ケアをはじめました。 並行して、介護施設の職員のみなさま向けに、ストレスを与えないケア方法として介護ネイル講習会を4年ほど行っています。

--介護施設などで職員講習を行うようになったきっかけを教えてください。

「爪のお手入れ一つがご利用者様の日常生活にかなり影響していると思うので、そこを見極めて職員に教えてくれるような爪のプロはいないか?」と知り合いを通じて、施設の看護科長さんからのご依頼をいただきました。

--講習を受講した職員の反応はいかがですか?

受講いただいた職員のみなさまからさまざまな声をいただいていますので、一部紹介します。

病棟係長(看護師) Sさん 40代

私の勤めている医療型・療養型の障害児・者入所施設で生活をされているご利用者様は、重度の心身障害のため痛みや痒みなどの訴えをすることが難しく、皮膚を掻破してしまうことがありました。そのため、一歩踏み込んだ予防的ケアの必要性を感じ、爪ケアに着目してみました。
爪ケアは普通の爪切りよりも時間がかかります。しかし、爪割れや、薄くて鋭利な爪による介護者への傷の予防策に繋がります。また、ケアを行うことがご利用者様との大切なコミュニケーションの時間になっていることも実感しています。

児童指導員 Iさん 20代

どこの施設においても、日々の業務の中で爪をケアすることに苦手意識や不安感を抱いているスタッフは多くいるのではないでしょうか。この講習を受けることで、動作や持ち方などの基本を学べるだけでなく、間違えていた認識も改めることができました。これにより爪を手入れする時間がさらに有意義な仕事となり、効率よくご利用者様の心のケアもできているのではないかと思います。
ネイリストは華やかで介護とは遠いイメージがありましたが、医療的見地からも爪のケアの重要性が見出されている今、医療・介護業界は爪ケアに対する知識や技術の向上が必須となるように思います。

介護福祉士・児童指導員 Iさん 40代

介護ネイル講習を受けたことで、それまでよりも格段に安心してケアが行えるようになりました。
ご利用者様の爪や皮膚はさまざまで、極端に硬かったり薄かったり、割れやすかったりします。ポイントを押さえた講習でのお話や、受講後にもらうアドバイスはとても役に立っています。介護の現場において専門家の方からアドバイスを受けられる環境は、ご利用者様と介護者と両方にとって、安全で安心してケアを行うために必要なものと強く感じます。実践あるのみだった新人時代からこの講習の知識を備えておけば、なおさらよいと思います。

爪先のわずかな痛みが寝たきりを誘発する可能性も

--爪のケアを丁寧に行わないとどうなるのでしょうか。

例えば、捻挫すると捻挫した足をかばって歩くために、逆の足など他の関係のないところを傷めやすいですよね。実はそこから、膝の痛みや腰の痛み、肩や背中の痛みを引き起こすケースがあるということを理解している方は多いと思います。それと同じで、爪先にわずかな痛みが生じると無意識に痛みをかばって日常を送るようになります。それによって身体のさまざまな個所に痛みを感じて動くのが億劫になり、寝たきりを誘発する可能性は非常に高くなります。

--重症化した爪を施術した後のご利用者様の様子を教えてください。

ご本人も「まさかこんなに楽になれる日が来るなんて思わなかった」と言いながら、意識して動かそうとすることがなかった指先をクイクイっと気持ちよさそうに動かしていました。Before-Afterの写真を見比べると、動かしたあたりの肌の色がピンク色に変化していて血流がよくなった様子が見られました。

--ご利用者様への施術後、介護施設や職員の反応はいかがですか?

色を塗っているわけでもないのに、ものすごく綺麗になって、掻いても以前のようにすぐ傷になるようなこともなくなったので、ご利用者様やご家族が喜んでいると報告してくれました。

ご利用者様が新たなストレスを生み出さないためのサポート

--施術の際に心掛けることはありますか?

ご利用者様本人の歩んできた背景もありますが、その背景を受け入れながら、新たなストレスを生み出さないためにサポートすることを、常に意識しています。ご利用者様は不満があっても本音を自分から口にしない方もいらっしゃると思うんです。その理由として「気になった瞬間に話せる相手が側にいないこと」「お世話になっている職員さんに遠慮している」「多少の痛みに強くなっている」「感覚が鈍くなっている」「言葉が話せなくなっている」などが思い当たります。人間の脳は本人が実感している以上にさまざまな刺激を受けているので、実は些細なことが積み重なって大きなストレスを生み出していたのだ、ということが施術を通した経験からわかりました。

--御社の講習ですが、【どのようにご利用者様にいかせるのか】お聞かせください。

何にでも当てはまりますが、高齢化が進むにつれて、酷くなっていく状況に対応するのではなく、酷くならないよう予防に重点を置くことが必要です。しっかり学ぶ機会がなかった方は、まだ爪の重要性に気づいていないかもしれません。講習では日常生活における爪の必要性と、自分の爪が自分に与えるストレスが存在するという、普段は深く考えないことをはっきりと認識していただけます。ご利用者様が施設を利用することで新たなストレスが生まれないよう、予防の技術を当たり前のものとして持ち帰ってもらっています。 「爪のケアを丁寧に行う=コミュニケーションが図れる」時間なので、①信頼を築きながら、②向き合わないといけない爪へのケアができる、一石二鳥で効率のよい方法として活用していただきたいです。

介護のプロとして日常生活のサポートに爪ケアを。

--巻き爪のケアに興味がある人へのメッセージをお願いします。

私はただアートを施すだけではなく、爪を扱うプロとして施術をするにあたって、どんな爪にも対応できるように技術と知識を常に勉強してきました。介護職員のみなさまは爪を扱うプロでないので、高度な技術に関しては興味が出た人が学んで対応していくことになるかと思いますが、それ以前に“介護のプロ”としてご利用者様の余生をいかに快適にするかという目的で日常生活をサポートしていると思います。痛みなく安心できる技術を提供するための最善の近道は、高度な技術をハイスピードで学ぶのではなく、基本の知識と技術を知り、意識をしながら経験を重ね、巻き爪などのトラブル爪に対応していくことです。最初から高い受講料を払わずして対応できるようになるので、基本を振り返りながら日々の爪ケアに取り組んでいただければと思います。

【取材協力】
株式会社Best Quality
代表 松本 めぐみ
プレミアムケアサロン
SouRa~爪楽〜
HP :http://soura.jp/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

介護の資格講座一覧

特集記事

新着記事

新着コラム記事

Copyright © 2005-2019 Network21, Inc. All rights reserved.