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介護職の需要はこれからどうなる?AI時代の介護業界も予測!

Kaigo Ai

介護職はコロナ禍でも募集がなくなることはなく、職を失った人たちに安定職として注目されました。

現状も求人は多く介護職の需要は高いことがわかりますが、このまま需要は続くのでしょうか?
将来性はあるのでしょうか?

この記事では介護業界の需要の動向や今後の給与や待遇、来たるべきAI時代の介護業界についてご紹介します。

目次

介護職の需要は高い!有効求人倍率から確認

介護職が必要とされているのか、現在の需要をまずは有効求人倍率から見てみましょう。

有効求人倍率とは厚生労働省が出す指標で、仕事を探す1人の人に対して、何件の求人があるのかを表す数字です。
2021年7月のデータを見てみますと、「介護サービスの職業」の有効求人倍率は3.64となっています。この数字は、1人に対し介護の求人が3.64件あることを表しており、介護の仕事は選べる状態にあるということです。
職業全体の有効求人倍率は1.02になっていますので、介護の仕事は高い数字といえます。現在、介護業界は求人がたくさんある、売り手市場だということです。

これだけ介護職員が求められていることに、理由はあるのでしょうか。

参考:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和3年7月分)参考統計表7-1

介護職の需要が高い理由は?

介護職員の需要が高い理由はいくつかあります。

高齢者の人口は過去最高

総務省の統計を見ると、65歳以上の高齢者は2021年9月15日時点で3640万人となり、過去最多となりました。総人口に占める割合は、29.1%でこちらも過去最高です。

高齢者が増えていることから介護ニーズはより高まり、介護職員の需要も高まっているのです。

2021年 高齢者の人口(万人)
総人口 65歳以上 うち70歳以上 うち75歳以上 うち80歳以上
12522 3640 2852 1880 1206

参考:総務省統計局 高齢者の人口

需要の拡大についていけずに人手が不足

高齢化が進み介護サービスを必要とする人は年々増え、それに伴って介護職員の数も増えてはきています。しかし、介護サービス需要の伸び率が大きく、介護職員の供給が追いついていない状況にあるのです。
介護施設も増え、求められる介護サービスも多様化しているため、介護人材はつねに足りずに需要が高い状況が続いているのです。

介護職の将来的な需要はどうなる?

2021年のデータでは、高齢者人口は過去最多となっていました。実は高齢者の増加は今後もまだまだ続き、2040年頃にピークを迎え、その後は減少していくと推計されています。

高齢化の加速で介護職の需要はますます高まる

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年には、推計を出した2019年度よりも介護職員を32万人増やす必要があると予測されています。
さらに、団塊ジュニア世代が高齢者になる2040年には、現状よりも69万人もの介護職員の増員が必要と推計されています。

このことからも、将来的にも介護職員の需要はなくなる心配はないといえるでしょう。
むしろ、いかにして介護職員を確保するのかが喫緊の課題となっており、国はさまざまな介護人材確保対策を打ち出しています。

年度 65歳以上の高齢者人口 65歳以上の高齢者の割合 必要な介護職員数 介護職員の不足人数
2019年 3588万人 28.4% 211万人
2025年 3677万人 30.0% 243万人 32万人
2040年 3921万人 35.3% 280万人 69万人

参考:厚生労働省 第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
総務省統計 高齢者の人口

介護職の給料・待遇の将来性は?

介護職員の需要が将来的にも増えていくことから、不足する介護職員を確保すべく、国はさまざまな人材確保政策を打ち出しています。その中のひとつに介護職員の待遇改善があります。

介護職員の給与改善はこれまでにも行われていましたが、国は2019年に「介護職員等特定処遇改善加算」も追加しました。
この加算は経験やスキルのある介護福祉士の賃上げをメインとし、他の介護職員の賃上げもできるような仕組みになっています。

介護職員の平均月給(常勤)
年度 平均給与月額 平均勤続年数
2016年 289,780円 7.2年
2017年 293,450円 7.3年
2018年 300,970円 7.6年
2019年 300,120円 データなし
2020年 315,850円 8.1年

※2017~2020年は処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所。
※平均給与額は基本給(月額)+手当+一時金(賞与)を月で割ったもの

表を見ると、介護職員の給料は上昇しているのがわかります。 今後も介護人材を確保するための国の取り組みは続くと見られ、 給料は安定して上がっていくと予想されます。

参考:厚生労働省 介護従事者処遇状況等調査:結果の概要

職場環境もより良くなる

国は介護施設や事業所内に保育施設の設置や運営をする場合の支援や、資格取得をする際の費用負担の軽減などの制度も進めています。介護の職場が働きやすく、キャリアアップがしやすい環境になるよう後押ししています。

今後、さまざまな待遇面が改善され、現状よりもより良い職場環境になっていくと予想されます。

国の介護人材確保の取り組みとは?
国は介護職員の増員と定着を目標に、介護職員の処遇改善を含め、以下の5つの取り組みを進めています。
  1. 介護職員の処遇改善
  2. 多様な人材の確保・育成
  3. 離職防止・定着促進・生産性向上
  4. 介護職の魅力向上
  5. 外国人材の受入れ環境整備

国は若い世代から元気な高齢者、復職を目指す人など、広い層からの介護人材確保を目指しています。イベントなどによる介護の魅力発信や、外国人の長期就労制度の創設なども行っています。この先も介護業界は人材不足が続きますので、この取り組みも長期的な視点で行われています。

AI時代になっても介護職の需要はなくならない?

「将来、今ある仕事の半数近くがAI(人工知能)や機械によって代替され、なくなる可能性がある」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
そんな時代が到来したとき、介護職の需要はどうなっていくのでしょうか。

介護ソフトの発展で介護事務は効率化?

AIや機械などのテクノロジーに代替されるだろうと予測される仕事の中には、事務処理作業やデータを取り扱う業務があります。
介護業界でも介護事務の仕事は事務的業務がメインとなりますので、現在でも介護ソフトが普及しつつあり効率化は進んでいます。

将来的には事務的部分はAIにとって代わり、介護事業所を訪れた高齢者やその家族への対応などといった窓口業務がメインの仕事になることも考えられます。

介護の仕事はAIではできない仕事

介護現場の仕事はデータ入力のような端末に向き合う仕事ではなく、高齢者一人ひとりに向き合い、気持ちにも寄り添う仕事です。介護をする際にはコミュニケーションや思いやりの気持ちなど、感情のやりとりも必要な仕事でもありますので、AIが発展しても取って代われない仕事といえます。 ですので、 介護職員の需要がなくなるということはないといえるでしょう。

国も介護ロボットやICTの活用を推進

介護ロボットの中には、介護職員の力仕事を補助する移乗介助ロボットなどがあります。こうした介護ロボットの力を利用することで、介護職員の身体的負担を軽減することができます。
タブレットを利用した情報共有や見守りシステムなどの介護現場のICT化(デジタル機器などのテクノロジーを取り入れ、改革を進めること)も業務効率化につながり、国はこれらの取り組みを推進しています。

業務のICT化や一部を介護ロボットに担ってもらうことで、現状よりも介護職員の仕事に余裕が生まれれば、より質の高い介護につなげることもできます。

介護職は将来的にも需要あり!長く続けられる仕事です!

高齢化が進むなか、介護職員は社会から必要とされる職種で、重要な職業と認識されています。人材確保のための国の後押しで待遇も改善されつつあり、働きやすい職場も増えています。需要が高いことから未経験でも幅広い年齢を受け入れており、将来的に仕事がなくなることもないので、長く働き続けることが可能です。

もしも介護の仕事が気になるなら、将来に不安はありませんので、ぜひチャレンジしてみると良いでしょう。

介護職に就くなら資格を取っておこう

もしこれからはじめて介護職に就こうと思っているなら、資格を取得しておくことをおすすめします。
介護の仕事は高齢者に直接触れる身体介護もあります。正しい介護方法を身に付けることで、不安なく仕事をスタートできるでしょう。

介護のスタート資格である「介護職員初任者研修」なら最短1カ月で取得できます。介護の仕事がはじめてでも、資格があることで給料が無資格者よりも優遇されるというメリットもあります。介護福祉士などの上位資格を目指すステップの第一歩にもなりますので、検討してみましょう。

初任者研修について詳しく知りたい方はこちら>>

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