介護・福祉・医療資格講座紹介
当記事は、介護職への就職・転職を目指している人を対象に、納得のいく求人選びが出来るようしっかりとした情報をお届けします。
当然のことながら、人によって「良い求人」の基準は異なります。
給料がしっかり稼げる夜勤専従を目指している人もいれば、プライベートの時間を大切にできる日勤の仕事を目指す人もいます。
職場の雰囲気についても、風通しの良い職場でまったり働きたい人もいれば、テキパキ動ける職場で成長したい人もいます。
そのため、自分にとっての「良い求人」とは何かを考えるとともに、自分の仕事の価値観や仕事に求めるもの、そして転職の目的を理解することが大切です。
とはいえ、そもそも求人を探す際に、どのようなポイントに気をつければ良いのか分からない人も多いでしょう。
そこで次のセクションからは、介護職全般の特徴を踏まえ、施設形態ごとの職場の選び方についてご紹介していきます。
給与を確認する上で大切なポイントは、
という点です。
介護職の給与は、基本的に介護職厚生労働省が定めている「介護報酬」に沿った金額になります。そのため、施設形態やサービス形態が同じであれば、おおよそ相場に近しい金額となり、施設ごとに大きな違いはありません。
万が一相場と大きく乖離している場合は、必ず理由があるはずです。
このようにさまざまな理由が考えられますが、
給与が高い
↓
要介護度が高い(介護報酬が多い)
↓
業務が忙しい
可能性もあり、必ずしも良いことずくめというわけではありません。
反対に給料が低いからといって、必ずしも職場環境が悪いとは言い切れません。
こうした違いをよく理解した上で、より自分の価値観に合った職場を選ぶことが大切です。
上記の違いを理解するためには、次のような方法が挙げられます。
まずは自力で調べられる範囲を一通り調べてみて、それでもわからないことがあれば、採用担当者や転職エージェントの力を借りてみるのが良いでしょう。
ミスマッチを防ぐためには、職場の価値観・ビジョンを確認しておくことも大切です。
介護サービスは、要介護者がより良い生活を送れるようサポートする仕事ですが、ケアの方向性は職場によってさまざまです。
例えば食事のお皿1つをとっても、落として怪我をしないよう、プラスチック製のお皿を使う施設もあれば、生活の質を重視して陶器の食器を採用する施設もあります。
どちらも方向性は違うものの要介護者のことを考えており、どちらが正しいとは言い切れません。
利用者のことを思えば思うほど、価値観やビジョンの差がストレスとなり、職場への不満ややりがいの低下、人間関係の悪化につながる可能性があります。
介護職の退職理由の1つとして、「人間関係が要因」というパターンがありますが、これらはこうした価値観やビジョンのズレが起点となっているケースもあります。
多くの事業者は、事業所サイトに理念・ビジョンなどを明記しています。
自分がどのような介護サービスを提供していきたいか考え、それに合った求人を選ぶとよいでしょう。
基本的な福利厚生は求人や事業所サイトなどで確認できますが、同様の方法で教育体制も確認しておくことがベストです。
介護職は給与アップやキャリアアップ、好待遇な職場への転職を目指す上でも、資格取得が非常に重要です。
無資格者と介護資格所持者の間には、明確な給与の差があります。
また介護福祉士・ケアマネージャーなどの上位資格を取得すれば、さらなる給与アップも見込めます。
ただし上記のような資格は、働きながら取得するのは非常に困難です。特に介護職の場合は休日が不定期になりやすく、スケジュールを管理しながら通学するのは大変です。
こんな時、資格取得支援体制が整っている職場ならば、ある程度シフトの融通を考慮してくれます。
こうした情報も、求人や事業所サイトを通して確認することができます。
給与や立地など、基本的な情報は求人を通して確認できますが、職場の雰囲気や施設内部の様子は、実際に見てみないと分からない点があります。
働いてみたいと思う求人を見つけたら、職場に打診して可能な限り見学させてもらいましょう。
以下のようなポイントを参考に、複数の事業所を見学し、それぞれの違いを比較してみるのも有効です。
介護職は、施設形態により働き方が大きく変わります。
それぞれの施設の特徴を解説しながら、働く上でのメリット・デメリットについても触れていきます。
デイサービスは「通所介護」とも呼ばれます。
自宅で生活している高齢者を事業所まで送迎し、入浴・食事・レクリエーションなどといった介護サービスを提供します。
デイサービス(通所介護事業所)の職員は、管理者・生活相談員・介護職員・ドライバーなどで構成されています。
1日型や半日型などのプランが用意され、多くのデイサービスでは平日の日中のみ介護サービスを提供しています。
類似した介護サービスとして、リハビリを中心に行う「通所リハビリテーション」(デイケア)があり、こちらもデイサービスと同じ場所で介護サービスを展開している場合があります。
職員自ら送迎を担当するデイサービスも多く、運転技術を持っていると重宝されます。
小規模多機能型居宅介護とは、利用する人の状況に応じて「通い」「訪問」「宿泊」を組み合わせて利用することができる介護サービスのことです。
小規模多機能型居宅介護事業所のスタッフは、代表者(管理者)、介護職員、看護師、ケアマネージャーなどで構成されています。
事業所を利用する人数は通所介護15名以下、短期入所9名以下で、全体の定員数は30名以下と設定されているため、利用できる人数の少ない事業所となります。
小規模多機能型居宅介護事業所で働く場合には、車で利用者宅へ訪問したり、夜勤を担当したりすることがあるため、運転スキルや体力を要する場合があります。
利用者は介護度の低い人から高い人、また看取り期の人もいるため、幅広い介護の知識やスキルが必要とされます。
ホームヘルパーが利用者の自宅を訪問し、入浴や食事の世話などの介護サービスを行います。
サービス内容は「身体介護」や「生活援助」などに分かれており、利用者の状況に合わせて必要とされる介護サービスを提供します。
訪問介護事業所は、管理者・サービス提供責任者・ホームヘルパーなどで構成され、自宅で介護サービスを利用したい人のサポートを行います。
利用者の自宅を訪問するときは、基本的に1人で介護サービスを行います。1日に複数の利用者宅を訪問するため、運転免許証を必要とされる場合があります。
最近では業務の効率化をはかるため、タブレットやスマホなどで介護記録を入力し、利用者宅への直行・自宅への直帰ができる事業所が増えてきました。
特養とは「特別養護老人ホーム」の略で、正式には「介護老人福祉施設」と言います。
公的な施設ということもあり、比較的安価な費用で利用できるため、入居待ちの人が多い人気の施設となっています。
65歳以上の要介護3以上の高齢者が入居でき、看取りにも対応しています。「終の住処」として入居する人も多く、要介護度が高い利用者の対応が要求されます。
特養は施設長や医師、介護職員のほか、看護師や生活相談員、機能訓練指導員、ケアマネージャー、栄養士、事務員などで構成されています。
歯科衛生士などを配置して口腔ケアに注力する施設や、レクリエーションに力を入れる施設など、施設ごとに特徴があります。
入居系の施設ですので、正社員で働く場合は夜勤対応がほぼ必須となります。
また要介護度の高い利用者が多く、看取りの対応も行いますので、気力・体力ともに心得て働く必要があります。
老健とは「老人保健施設」の略で、特養と同様、公的な介護保険施設のひとつです。
介護認定を受けた人が自宅に戻って生活できるよう、看護・医学的管理の下でリハビリテーションや生活訓練・機能訓練などといったサービスを提供します。
老健は医師や薬剤師、看護・介護職員、ケアマネージャー、機能訓練指導員、栄養士、事務員などで構成されています。
在宅復帰や在宅療養を支援するための施設なので、比較的要介護度の低い人に対してサービスを提供することが多くなります。
ただし、正社員として働く場合には夜勤が必要になるほか、「デイケア」を併設している施設も多いため、異動が発生する場合もあります。
有料とは「有料老人ホーム」の略で、最近では
など、入居者のニーズに合わせた多様な有料老人ホームが登場しています。
利用者の特色は施設ごとに異なり、例えば自立した人のみ受け入れる事業所もあれば、要介護の高い人を積極的に受け入れる施設もあります。
民間企業が運営しているケースが多いため、入居者を楽しませるためにさまざまな企画が実施されています。例えば料理教室を開いたり、訪問美容などのサービスを充実させている事業所もあります。
有料は施設長(管理者)や看護・介護職員、生活相談員、ケアマネージャー、機能訓練指導員、事務員などで構成されています。
施設によって入居者の特色が異なるため、さまざまな介護スキルが求められます。例えば料金設定が高めの施設では、入居者に対する接遇マナーを重視される傾向があります。
また施設独自の企画、レクリエーションに対応するスキルも必要です。
高齢者が住みやすいよう段差のない床や手すりを設置した、近年人気の高まってきている住宅です。
主に高齢の単身者や夫婦が賃貸などで住んでおり、日中は介護職員が常駐して、安否確認や生活相談といったサービスを提供します。
サービス付き高齢者向け住宅は「サ高住」とも略され、介護職員や看護師、ケアマネージャーなどが配置されている住宅です。
夜間にスタッフを配置する義務はないものの、実際は宿直や夜勤などの職員を配置する場合が多くなっています。
とはいえ自立した人が多いため、身体介護よりも入居者とのコミュニケーションや見守りといった仕事がメインになります。
グループホームとは「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」のことで、おもに認知症(急性を除く)の高齢者が、家庭的な環境の下で介護や機能訓練を受けながら、共同生活を送る住まいのことです。
介護職員は利用者との共同生活を通して、認知症が進行しないようにサポートを行います。
グループホームは管理者や看護・介護職員、ケアマネージャーなどで構成され、1ユニットの入居者は5人以上9人以下と定められています。
サポート対象は認知症高齢者ということもあり、介護度や入居者の健康状態にもよりますが、おもに認知症に特化した介護スキル、コミュニケーション能力などを要します。
入居者の食事・入浴・排泄など、日常生活に不可欠な介護サポートのほか、農作業や調理など、趣味・娯楽的な作業を一緒に行う場合もあります。
好待遇の求人だと思って応募してみたものの、いざ働いてみると合わなかった……という失敗談も散見されるのが転職活動です。
ミスマッチを防ぐために有効な方法として、第三者から客観的に自分の適性を判断してもらうことが挙げられます。
転職エージェントは、面談などを通じて一人ひとりに合った求人をピックアップしてくれます。
自分では気づけなかった価値観や、非公開求人を紹介してもらえる可能性もあります。
紹介された求人に必ずしも応募する必要はありません。視野を広げ、よりよい求人に出会うためにもぜひ活用してみてください。
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