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今話題の外国人介護人材!受け入れのメリットとデメリットは?

Gaikokujin Ryuugakusei

我が国の社会福祉政策は2000年に始まった介護保険制度の導入により、国内にさまざまな影響を与えてきました。大学で社会福祉系学部や学科が増設され、社会福祉や介護人材の養成に着手したのもその影響があると言われています。
しかし大学全入時代を迎え、社会福祉系学部への希望者が減少し始めています。介護現場の「きつい」「給料が安い」などの印象が若い世代にあり、敬遠されてしまうようです。介護業界での人材確保の問題は、増え続ける高齢者に対応できる人材が不足するおそれがあると国が警鐘しているように、深刻な問題です。そんな中で昨今、着目されているのが、外国人人材の登用。さて、外国人人材は日本の環境で浸透していくでしょうか。

介護人材の拡充は外国人でアプローチできる?

EPA(経済連携協定)に基づく外国人人材の受け入れは、国内の介護人材を補填するためにあるのではなく、経済活動の連携強化として人材を採用していくことが基本とされています。そのため、介護人材の拡充に関しては、他の方法で進めていくことが求められています。

上記で述べたように現在、大学社会福祉系学部の苦戦が続いている中、2017年には介護での外国人の在留資格がスタート。介護福祉士の資格を取得すれば日本で働けるようになったため、社会福祉系学部への留学生が増加し始めています。留学生はアジア圏出身者が多く、ベトナム、中国、韓国などから来日しています。
それらの国から来た留学生は向上心が高く、勤勉。そして何より自分で学んだことを生かして母国に貢献しようとする気持ちの強い学生もいるので、日本人学生にも影響を与えています。実際に働き始めても「明るい」「話を聞いてくれる」など、施設内の活性化を図るケースも数多くみられます。*1

国は留学生をグローバル戦略の一環として捉えており、2020年をめどに外国人労働者を30万人とする動きをみせています。しかし一部の社会福祉系学部で留学生が所在不明になったことを受け、今後は新制度を導入して大学側を指導していく構えも見せています。

期待される外国人技能実習制度の導入

実態としてEPAで入国し、資格を取得して介護現場で働く外国人たちが、自らのスキルを高め、真摯に取り組むケースがある一方、90%が帰国しているとの報告があります。*2 
EPAで入国するには母国における要件のハードルが高い上、日本においても3年の就業経験と介護福祉士資格の取得が義務付けられているため、実際に就業できる外国人はごくわずかとなってしまうためです。

EPAに加え新たに導入された「外国人技能実習制度」は、15か国ほどの国からの受け入れが可能で、EPAより対象範囲が広いことが特徴です。日本語は、基本的なレベルの日本語能力試験の合格が課せられています。
基礎的な介護技能は母国で修得してから入国するので、即戦力として介護業務に従事することができ、将来の介護人材の一角を担う期待が寄せられています

問題をあげるとすれば、出身国による気質の違いや勤務する地域の方言などで、コミュニケーションに支障をきたすケースです。一般的な業務に問題がなかったとしても、「資料作成ができない」「専門的な会話ができない」といった理由で単独業務が任せられないケースも発生しています。
困難事例など難解なコミュニケーションが伴う業務は、日本人スタッフが担当することで業務過多となってしまうこともあり、施設内で不公平感が漂ってしまう問題が起こっています。

このようなケースでは外国人がその土地に慣れるまで温かく見守る姿勢と、記録はローマ字や平仮名での対応を許容するなどして、業務が偏らないようにする配慮が必要でしょう。外国人人材を登用することはメリットばかりではないので、継続的に雇用するには、その地域になじめるような外国人の人材教育が必要と考えることができます

外国人人材が日本の風土になじむには?

働く意欲があり、社会貢献に関心の高い外国人が日本で働くことは、私たちにとって決してデメリットばかりではなく、彼らの「就労意欲の高さが介護現場を活性化させる」と積極的に採用を行っている施設もあります。
国際厚生事業団の調査によれば、外国人(EPA候補者)を受け入れた施設のうち8割近くが「外国人の受け入れが職場へ良い影響を与えた」と評価し、*4人員不足解消の一旦も担っているとしています。


外国人が日本の風土になじんでいくには、「留学生だから」「数年で帰るから」などの理由で、自分たちのスタイルを崩さないのではなく、外国人側にも日本文化や慣習に歩み寄る姿勢は必要です。歩み寄った結果実際には、日本人より丁寧な言葉遣いをする外国人も中には見受けられます。介護を志した外国人は日本人と比べて、本気度が違うとも言われています*1 介護の仕事をすることで、在留期間が延長されるからです。
介護業界は外国人参入を転換期と発想を切り替える必要があるかもしれません。社会福祉全体のイメージを、グローバルな感覚で明るく刺激的な印象に変えるきっかけにしたいものですね。

参考:*1 ウェルおおさか 「介護施設で活躍する外国人スタッフ」
*2国際事業研究協同組合「介護技能実習生とその他の制度の違い」
*3石橋真二 「外国人労働者の受け入れと、介護の技能と技術、日本語能力・コミュニケーションの重要性」
*4 国際厚生事業団「OECD諸国の外国人介護労働者」

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