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介護施設で外国人を採用するメリットと課題点

Gaikokujin

介護の現場に、外国人スタッフが増えてきています

今、さまざまな介護施設の現場に外国人スタッフが増えてきていることをご存知ですか? 介護を担う人材が不足していることを受け、国は外国人人材の積極的な受け入れを進めています

介護業界では、すでに60%以上の介護施設で人材不足が起こっています。*1、国民の18%が75歳以上となる2025年には「超高齢社会」となり、38万人の介護人材が不足すると予測されています。*2介護が必要な高齢者のケアを行うには、国内の人材では賄えきれない状況になるのです。
そこで国は、EPA(経済連携協定、Economic Partnership Agreement)や技能実習、特定技能といった外国人受け入れのルートを用意し、日本で働きたい外国人を雇用できる仕組みを作りました。いくつかの介護施設では、すでに外国人スタッフが活躍しています。

外国人の人材採用が増えることで、介護現場にはどのような変化があるのでしょうか。外国人と一緒に働くメリットや課題はあるのでしょうか。こちらの記事で考えてみたいと思います。

*1 介護労働安定センター「平成30年度 介護労働実態調査結果」
*2 厚生労働省「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」

外国人のいる現場には、こんなメリットがあった!

外国人スタッフと一緒に働くとなると、さまざまな不安があるかもしれません。「日本語はどれくらい通じるのか?」「本当に仕事ができるのか?」「文化の違いで困らないのか?」「利用者様は受け入れてくれるだろうか?」などなど……
まずは、介護施設で外国人スタッフを受け入れた場合のメリットを見てみましょう。

人手不足が緩和され、仕事の負担が軽くなる可能性がある

はじめは外国人スタッフの仕事や生活を日本人スタッフでサポートしなければならないため、大変なこともあると思います。しかし、例えば技能実習生は常勤職員として3年間しっかりと働きますので、長い目で見れば戦力として期待できます。また、技能実習の場合は受け入れをやめない限り継続的に新しい人材の確保が可能なため、長期的な人材不足の対策になります

ぎりぎりの人数で運営している現場に人手が充足すると、業務負担が軽減され、残業時間の減少や休みの取りやすさにもつながります。

母国の家族のために懸命に働くため、仕事意欲が高くまじめ

例えば東南アジアのミャンマーのような途上国では、平均賃金が低く大卒でも日本円にすると月給2万円ほどの給料です。国内の産業が少ないため、仕事に就けない若者もいます。そのため海外で働いてお金を稼ぎ、母国にいる家族の暮らしを支えたいという切実さを持っています。

兄弟が多く大家族で、貧しい暮らしをしている人々が懸命に日本語や介護を勉強し、日本にやって来ます。「家計を助けたい」「家族のために家を建てたい」のような明確な目標を持っているため、ルールを守って一生懸命働くことが多いのです。そのような意志と希望を持った外国人スタッフは日本で真面目に生き生きと働き、現場にも良い刺激を与えてくれるでしょう

利用者様や他のスタッフと異文化交流ができる

外国人スタッフがいることで、利用者様との普段のやり取りやレクリエーションに異文化交流を取り入れることができます。例えば母国の挨拶や歌をレクに取り入れることができますし、伝統的な民族衣装を利用者様に見てもらったり、実際に着てもらったりすることもできます。

利用者様が外国人スタッフに日本語を教えたり、茶道や書道などの日本文化を教える機会を作ることで、利用者様が毎日を生き生きと過ごすきっかけを作ることもできます。
日本人スタッフも外国人スタッフとの交流を通して、多くのことを学べることが期待できます。

考えてゆくべき課題と対策

一方で、外国人スタッフの受け入れを始めている介護施設や、これから受け入れを考えている介護施設では以下のような課題が挙がっています。

利用者様や他のスタッフとのコミュニケーションにおける言語の壁

技能実習や特定技能で入国する外国人は、基礎的な日本語を母国で学んできます。しかし、日本語を流ちょうに話せるかというと、そうではありません。彼らも初めは外国語でのコミュニケーションに不安を抱えています。日本語は入国してからも継続的に学びながら会話能力を高めていく必要があります

そこで大切なのは、周りのスタッフの気配りです。外国人スタッフが「大丈夫です」と言っていても、常に見守ることは忘れず、困っていたときにはすぐにフォローしましょう。そして「開始します」を「はじめます」、「最適な」を「一番良い」などのような簡単な表現に変える工夫をすると、言葉が伝わりやすくなります。

また、口頭だけでの申し送りや紙の介護記録は、日本語が得意でない外国人スタッフには難解で理解できないおそれがあります。スマートフォンや携帯電話を使って、簡単に情報共有ができるチャットツールなどもありますので、それらを導入することで解決できることもあります。
このように、ちょっとした工夫やツールの導入で外国人スタッフの戸惑いも減り、結果的に日本人スタッフの業務負担も軽減に繋がります。

すでに人手不足の施設は大変

外国人スタッフは母国で介護の基礎を学んではきますが、即戦力になる日本人の中途採用とは異なるため、教育が不可欠です。また、仕事だけでなく言葉や文化への配慮も含めた生活のサポートが必要なため、人手が不足気味でスタッフの気持ちに余裕があまりないような施設には向いていないかもしれません。
受け入れには外国人のサポートを実現できる体制と資金も必要なため、受け入れに興味があってもなかなか踏み切れない施設も多くあるようです。

スタッフ全員の理解や協力が必要

施設の管理者や指導員だけでなく、現場に関わるスタッフ全員が外国人の受け入れに協力的であることが、受け入れの成功につながります。言語や文化の違いがあることを理解し、偏見を持つことなく、困っていたら手を差し伸べるというような意識を全員が持つことが大切です。

受け入れる外国人スタッフの母国についてよく知ることは、理解を深める方法の一つです。文化や習慣を予め知っておくことはコミュニケーションの手助けにもなるため、受け入れる側の準備と協力体制作りはできる限り行いましょう。

介護業界に不可欠となる外国人

まだまだ課題もありますが、介護施設が運営を続けていくには外国人スタッフの力が不可欠な時代に入ってきています。外国人の受け入れが成功する施設は、資金力や体制・将来の展望をしっかり持っていることが多いため、日本人スタッフも安心して働ける施設が多いようです。
資金や体制が整わないままに受け入れをしても、外国人スタッフも働きづらく日本人スタッフにも負担がかかることもあるので、受け入れ可能かどうかをしっかり見極めることは必要でしょう。

外国人が増えることで、日本人が採用されなくなることはありません。日本人スタッフは、今後は外国人スタッフの良い手本になることが求められていきます。外国人スタッフは今後さらに増え続けることが予想されますので、彼らをサポートしつつ、現場で活躍できる介護職員を目指しましょう。

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