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ケア資格ナビ> 特集記事> 介護職に転職する前に必要? 施設見学のメリットとは
昨今、介護業界の有効求人倍率が高まっています。そのような中で、安定した職業として介護職を希望する人の施設見学が増えています。
施設見学のメリットとは?
施設見学を行う際に、気をつけておきたい点もあわせてご紹介します。
介護職の施設見学とは、求職者や入職者が介護施設や介護事業所をよりくわしく知るための機会です。
求職者や入職者に安心して入職してもらうためのひとつの手段であり、就職先として選択してもらうためのアピールの場ともなっています。
これまで昭和期の就活スタイルは「面接後、採用可否決定」、というスタイルが主流でしたが、平成期に入ってからは、就職先を決める前や後に「職場見学」が行われるようになっています。
介護職に就くとき、施設見学はどんな場となるのでしょうか。またメリットはあるのでしょうか。
施設見学は介護職を志す人が、自分にあった職場かどうかを判断する場となります。
国内では新型コロナウイルス感染症拡大により、リモート面接が日常的に行われるようになりましたが、そのような中でも介護職では、就職先を決める際に施設見学をするメリットがあります。
介護職の場合、人と人とが直接関わり合います。
働いている人の表情や働き方、言葉づかいなどは、事前に知っておきたい情報です。それらは直接訪問する施設見学や面接によって、知ることができます。
具体的なメリットの内容を見ていきましょう。
求人が出されている介護施設や介護事業所へ実際、出向いてみると、思ったより「通勤路が混んでいた」「駅から歩くと時間がかかった」などということがあります。
ウェブサイトの写真だときれいに見えた施設が、実際は「写真より暗い感じだった」ということもあります。
また施設内の清掃や衛生状態のチェックも大切です。
施設内の清掃や衛生状態が良好であれば、清潔感のある空気が常に漂い、気持ちよく働くことができます。
実際に介護施設や介護事業所へ出向いて、働く場所の環境を確認することは大切です。
介護職員として働く上で、人間関係はとても大切です。施設見学に行くと、一緒に働くスタッフを知ることができます。
施設見学に出向いたときに、スタッフが「笑顔である」「挨拶をしてくれる」「説明をきちんとしてくれる」などの様子が伺えれば、新しい人を受け入れる体制が整っていると考えることができます。
特に介護職の初心者の場合は、仕事に慣れるまで先輩スタッフの指導が必要となってきます。
施設見学時の求職者に対する対応で、その介護施設や介護事業所のスタッフの人柄や職場の雰囲気を推測することができるので、自分にとって働きやすい職場かどうかを判断しやすいでしょう。
施設見学へ行くと、現場のスタッフの働き方を実際に見ることができます。
時間帯にもよりますが、利用者や入居者への接し方や介助の仕方で、その現場のスタッフの働き方に余裕があるか、ないかを推測することができます。
また施設内に入ると、施設内の空気感を確認することができます。
スタッフの業務に余裕があれば、施設内にピリピリとした緊張感は漂わないでしょう。
長く働きたい人にとっては、業務に余裕があるということは大切です。落ち着いた空気感が流れている職場では入職後、余裕をもった働き方ができるので、安心して長く働き続けられるものです。
介護職の就職事情として、2021年には有効求人倍率が、過去10年間で最も高い平均4.53倍となっています。
介護職の場合、売り手市場となり、求職者側が就職先を選べる傾向にあるため、それを有利に使わない手はありません。
「百聞は一見にしかず」。
介護職として働きたい人は、施設見学をしてみましょう。
それでは、施設見学はどのような流れで行えば良いのでしょうか。
介護職を志し、施設見学を行ってから職場を決めたい場合、以下のような流れが一般的です。
施設見学と面接を同時に行う場合もあります。
施設見学の申し込みには、以下のような方法があります。
施設見学の申込みは、自分自身で電話やFAX、メール、介護施設や介護事業所のウェブサイトの問い合わせフォームなどから申し込む方法があります。
また転職支援サービスを利用している場合には、転職支援エージェントの担当者が施設見学の日程を調整してくれる場合もあります。
施設見学は、面接とセットで実施されるパターンもありますので、まだその介護施設や介護事業所を受けるかどうかを決めていない人は、施設見学のみであることを先方に伝えましょう。
話の流れで面接となってしまう場合もあるため、意思表示をはっきりしておくと良いでしょう。
介護施設や介護事業所へ施設見学申し込みの電話をするときには、時間帯に気をつけましょう。
介護事務の人が電話対応している介護施設もありますが、介護事業所などでは、介護職員として働いている人が電話に出る場合もあります。
送迎時や食事の時間など、忙しい時間帯は避けたほうが良いでしょう。早朝や深夜の時間帯も適切とはいえません。
電話をかけるときには、以下のようなトークスクリプトを参考にしてみてください。
採用担当者に電話が代わったあとは、名前を再度告げ、用件を伝えましょう。
施設見学の日時が決まり、電話を切るときには、お礼を伝えましょう。
電話は先方が切った音を確認したあとに、切りましょう。
先方より先に切ってしまうと、印象が悪くなってしまいますので、気をつけましょう。
介護施設や介護事業所へ、メールで施設見学をお願いする方法もあります。
〇〇 〇〇
上記は一例です。
前略~草々などを書く場合もありますが、メールでの問い合わせの場合は、そこまで堅苦しくならなくても良い、とも言えるでしょう。
実際に施設見学にいくときには、気をつけておきたい点がいくつかあります。
施設見学にいくときにまず気をつけたいことは、服装です。
訪問時には清潔感のある服装となるよう、気を配りましょう。
新卒の方の場合はリクルートスーツが多いようです。
中途採用の方の場合はジャケットなどを着用し、派手でない色合いの服装を身につけると良いでしょう。
持ち物は、メモを取れるように筆記用具は必須です。
面接などが同時にある場合は、指定された必要な書類を忘れないようにしましょう。
施設見学の場合、面接が伴っていなくても、採用担当者はあなたの話し方や立ち居振る舞いを観察しています。
その介護施設や介護事業所を受けるかどうか決めていなくても、約束の見学時間を守るなど最低限のマナーは守りましょう。
利用者や入居者の活動エリアへ見学が許された場合は、感染症対策の問題もありますので、指示通りの手順で見学を行いましょう。
施設見学の際には、いくつかポイントをしぼり、ぜひチェックしておいたほうが良い点があります。
まずは、スタッフの様子に着目しましょう。
家族や業者などに、どんな対応をとっているかを知ることで、日頃の介護施設や介護事業所としての雰囲気がわかります。
またスタッフの挨拶や表情、利用者への接し方を見ると、日々の働き方を感じ取ることができます。
職員同士の会話などにも耳を傾け、協力体制や忙しさなども見極めましょう。
利用者や入居者の様子にも着目しましょう。
利用者や入居者は、「気軽にスタッフに話しかけているか」「利用者に笑顔はあるか」などは大切なチェックポイントです。
排泄介助など、「利用者や入居者を待たせていないか」などに着目することでも、人員配置に余裕があるかをチェックすることができます。
施設の外観や内装はもちろん、衛生管理や備品管理などがきちんとされている介護施設や介護事業所なら、働きやすさのポイントは高くなります。
人や物に気配りのできる介護施設や介護事業所なら、働く人にとっても心地よく、働きやすい職場となることでしょう。
施設見学や面接へ行くと、最後にたいてい採用担当者から「質問は?」と聞かれます。
その時点でスムーズに質問できると、訪問した「介護施設や介護事業所に興味がある」と印象が良くなりますので、そのときのための質問を考えておきましょう。
施設見学では採用担当者だけでなく、スタッフと話せる場を用意してくれる施設もあります。
そのときは、できるだけスタッフの本音が聞けるような質問を用意しておくと良いでしょう。
介護業界の採用では、当日内定を出すなど比較的「面接~採用決定」までの時間が短い傾向にあります。
具体的な条件がある場合は、施設見学でそれが受け入れられるかどうかを確認しましょう。
「祝日は休みたい」「週3日で働きたい」など、これだけは譲れないという条件がある人は、きちんと質問で確認できると良いでしょう。
一般的には施設見学へ行った多くの人が「施設見学に行って良かった」と感じています。
施設見学には、直接スタッフと話せる機会もあり、職場に関する情報やスタッフの本音について伺い知ることができる場合もあるからです。
施設見学では、深堀りした情報を得ることができるので、施設見学に行くことで、就職や転職をよりグッと「成功」に近づけることができます。
就職や転職では、「聞いていたことと違った」「思っていたことと違った」というような失敗がよくあります。 そんな失敗することがないよう、施設見学をして就職や転職を成功させましょう。