ケア資格ナビ> 特集記事> 介護・福祉関連のコラム記事> 体操教室で高齢者の体力向上
高齢者施設で、リハビリや健康増進を目的とした体操教室の開催が増えています。年齢とともに衰えてしまう体力や身体機能を少しでも維持向上することで、歩行や椅子からの立ち上がりなど日常での動作をしやすくするほか、集まって一緒に運動をすることがコミュニケーションの増加や楽しさにつながります。
こういった体操教室は施設で自主的に開催しているところもあれば、スポーツクラブなどと連携し外部の講師を招いておこなっているところもあります。
基本的には、高齢者でもやりやすい簡単な体操が多いです。ウォーキングや、座ったままできる足の運動だけでも、転倒や尿失禁の防止に役立ちます。また、姿勢の改善やバランス感覚をきたえる運動も、簡単でありながら歩行などの動作の負担を軽減できます。そのほか、水中でのフィットネスや太極拳、マシンを使った運動などさまざまなものがあります。
日常ではなかなかすることのない動きも、プロのインストラクターが上手く参加者を誘導し、楽しくおこなうことができます。
また、体操教室の名称も実は大きな役割があります。たとえば、「トレーニング」という言葉は本格的なイメージがあり、男性の参加率が高くなるということも。「ヨガ」は美容などのイメージから女性に人気が出やすく、「若返り」なら男女問わず興味を持ってもらえそうです。
慣れないことでも楽しく取り組めることで、施設では利用者様の中に「これに参加してみよう」という前向きな考えが生まれます。また、参加するためにわざわざスポーツシューズを買いに出かけるなど、外出の促進にもつながるそうです。
参加者の中で、要介護認定1だった人が3ヶ月の運動をおこなった結果、自立になった例もあるといいます。効果を実感してもらえることで、継続的な参加へとつながっています。
ひとくちに高齢者といってもさまざまで、年齢も違えば、体の状態もそれぞれです。人によっては、運動をさせることが難しいのではないか、と不安になるかもしれません。ですが、できないと思っていたことができたり、よい効果が表れたりすると達成感も大きいでしょう。楽しく運動をして健康になれれば、いいことづくしですね。