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逮捕されないために 介護の無資格者がやってはいけない医療行為をチェック!

Medical Practice

介護の仕事は無資格でも働くことができます。
しかし近年、無資格の介護職員が逮捕される事件が発生しています。

本記事では、無資格の介護職員が逮捕された事件について解説します。
現在、無資格で介護の仕事に就いている方、これから介護の資格を取得しようとする方にも参考になると思います。

介護職員の仕事 無資格者が逮捕されたケース

介護職員がこれまでに逮捕された事件には、いくつかのケースがあります。
これまで実際にあった事件をご紹介します。

無資格の介護職員が証明書を偽造したケース

1つ目のケースは、働くのに資格が必要な介護サービス事業所での事件です。

  • 2018年7月:無資格の介護職員が介護資格の証明書を偽造

介護の仕事は無資格でも働けますが、介護サービスの種類によっては、資格がないと働けない場合があります。
この介護資格の証明書を偽造した事件では、訪問介護のスタッフとして働きたかった親子が「ホームヘルパー2級」の証明書を偽造し、逮捕されています。

訪問介護で働くためには、「ホームヘルパー2級」や「介護職員初任者研修」以上の資格が必要です。
介護職で働きたい場所がはっきりしている人は、「どういった介護の資格が必要なのか」を確認しておきましょう。

無資格の介護職員が医療行為を行ったケース

2つ目のケースは、医療行為を行う介護サービス事業所での事件です。
過去に以下のような事件がありました。

  • 2018年9月:施設長(医師)が無資格の介護職員に指示し、喀痰吸引や経管栄養を行わせた
  • 2020年9月:施設長が無資格の介護職員に指示し、胃ろう処置を行わせた

この事件の場合、意図的に「施設長が指示していた」という様子が伺えますが、なかなか看護師が見つからず、人手不足のため無資格の介護職員に医療行為を指示していたという背景もあります。

そのため介護職員として働く場合には、上司の指示などにより、ルールを知らずに「誤って医療行為を行ってしまった」ということがないように、介護職員ができることを理解しておくことが必要です。

ルールを知っているのに、無資格の介護職員が医療行為を行うなどは、もってのほかですが、「どういった条件の人なら喀痰吸引や経管栄養などの医療行為ができるのか」は、きちんと確認しておきたいことです。

介護職員でも医療行為ができるの?

介護職員が医療行為をすることは基本的に認められていませんが、喀痰吸引や経管栄養は資格を持った介護職員のみが対応できます医療行為は医師や看護師が行うもので、介護職員が医療行為をすることは基本的に認められていません。

しかし国では、介護業界における人手不足などの問題を受け、入居者の「喀痰吸引」や「経管栄養」などの医療行為について、資格を持った介護職員が対応できるような措置をとっています。

喀痰吸引や経管栄養に対応できる条件

介護職員は、指定された研修を受けて、認定証を得ることができれば、一定条件の中で、喀痰吸引や経管栄養を行うことができます

介護職員が喀痰吸引や経管栄養を行うには、以下のような条件を満たすことが必要です。

  1. 医師の指示の下に行うこと
  2. 利用者や家族の同意を得ること
  3. 喀痰吸引等研修を受講すること

喀痰吸引や経管栄養を行えるようになるための研修は、持っている介護の資格によって異なります。
以下の表をご覧ください。

職種(資格) 条件
介護職員 喀痰吸引等研修(基本研修・実地研修)を受講し、「認定特定行為業務従事者認定証」を得る
実務者研修修了者 喀痰吸引等研修(実地研修)を受講し、「認定特定行為業務従事者認定証」を得る
介護福祉士(2015年~) 喀痰吸引等研修(実地研修)を受講する

「実務者研修」を修了していると、喀痰吸引研修の「基本研修」が免除になります。
実務者研修についてくわしく知りたい方は以下をご覧ください。

実務者研修についてくわしく知りたい人はこちら>>

喀痰吸引などの医療行為を行うには、上記のような条件を介護職員が満たすほか、介護施設や介護事業所が下記のような条件を満たす必要があります。

  • 「登録事業者」として、登録喀痰吸引等事業者(2015年~)・登録特定行為事業者(2012年~)として認められていること

以上のような条件を、働く側の介護職員と職場の介護施設や介護事業所が満たすことではじめて、喀痰吸引などの医療行為をできるようになります。

参考:介護職員等による喀痰吸引等実施のための制度について  厚生労働省

さまざまな仕事のできる介護職員になろう!

このように現在は条件さえ満たせば、介護職員にも医療行為を行える道が開かれています。
資格を持っていると業務の範囲が広がり、勤務先からの評価も上がります

また介護の資格を持っているということは、資格手当などが期待でき、給与アップにもつながります。
介護の資格や喀痰吸引等研修の認定証を持っていない人は、資格取得や研修などの受講を検討してみるのも良いですね。

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