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これからどうなる?介護ロボットの課題と重点分野

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介護ロボットとは?

日本では高齢化が進み、要介護者の増加は避けられない状況であるにも関わらず、介護人材は不足しています。また介護者の7割が腰痛に悩まされていることもあり、介護現場で働く人の負担軽減が求められています。そこで、注目されているのが介護ロボットです。

介護ロボットの利用により介護者は介護業務をより適切に、効率よく行うことができるため、負担軽減が期待されます。また要介護者にとっても、身体機能の改善などにより自分でできることが増え、生活の質や意欲が向上する可能性があります。

介護ロボットの種類

介護ロボットはさまざまな企業が開発を進めていることからそれぞれ特徴がありますが、その役割から3つの種類に分けられます。

介護支援機器 移乗・排泄・入浴・情報収集などを支援するロボット
自立支援機器 移動・食事・読書・リハビリ訓練などを支援するロボット
見守り・コミュニケーション支援機器 安否確認・異常検知、会話やレクリエーションなどを支援するロボット

介護における深刻な状況を改善できる介護ロボットですが、順調に普及が進めばロボット産業の発展が見込まれます。また国内だけでなく海外への輸出などが活発になれば、雇用の創出にもつながるため、国においても開発・普及のためにさまざまな政策を行っています。

介護ロボットに関する国の政策は?

国は2013年より「ロボット介護機器開発・導入促進事業」を進め、開発支援や調査などを行ってきました。介護ロボットに関する世論調査や、介護分野におけるコミュニケーションロボットの活用に関する大規模実証試験を実施。その結果から、介護現場で必要とされる介護ロボットを検証し、開発における重点分野を決めました

ロボット技術の介護利用における重点分野

(1)移乗介助 高齢者などをベッド、車いす、トイレなどに移乗させるときのパワーアシストを行うロボット介護機器。装着型と非装着型があり、介護従事者の負担を軽減する。
(2)移動支援 高齢者などが外出する際に荷物の運搬や歩行をサポートしたり、屋内でのベッドからの立ち上がりや、トイレなどへの移動を支援するロボット介護機器。または転倒を予防したり、歩行などを補助できる装着型ロボット介護機器。
(3)排泄支援 設置位置が調整でき、ロボット技術を用いて排泄物の処理(密閉、室外へ流すなど)をし、においを防ぐことができるトイレ。または排泄を予測し、最適なタイミングでトイレへ誘導したり、トイレ内で行われる下衣の着脱など一連の動作を支援するロボット介護機器。
(4)見守り・コミュニケーション センサーや外部通信機能がついており、介護施設においては要介護者がベッドを離れる際、在宅においては要介護者が転倒した際などに介護従事者へ通報できる見守り支援型のロボット介護機器。または高齢者などとコミュニケーションが取れるロボット介護機器。
(5)入浴支援 浴槽をまたぐ、湯船につかるなどの入浴動作を支援し、座ったまま浴槽をまたげる、浴槽内での立ち座りが楽にできるなど、要介護者の入浴をサポートするロボット介護機器。
(6)介護業務支援 介護業務(見守り、移動・排泄支援など)の情報を収集・蓄積し、その情報を高齢者などの必要な支援に役立てられるロボット介護機器。

国では、2018年からの3年間は「ロボット介護機器開発・標準化事業」として⾼齢者の⾃⽴⽀援等に貢献できる介護ロボットの開発と標準化を目指し、引き続き開発補助を実施します。それとともに、介護現場への普及と海外展開も視野に入れた環境整備を行います。最終目標は、介護ロボットの日本での市場規模を約500億円まで拡大させることとしています。

介護ロボットの現状と今後

介護ロボットの市場規模は2013年には5.3億、2015年では24.7億円と上昇しつつありますが、2020年までの目標500億にはほど遠く、あまり普及が進んでいないのが現状です。

介護ロボットが普及しない理由

  • 導入コストが高い
  • 操作を覚えるのが難しい
  • 実際に役立つのか分からない
  • 設置場所が確保できない
  • 安全面に心配がある

これらは前述の世論調査でも重視する点として挙げられています。また同調査では全体の29.3%が「介護ロボットによる介護を利用してほしくない」と答えています。思うように介護ロボットの導入が進んでいない背景には、人による介護を重視する要介護者や介護者の意向もあると言えます。

介護ロボットは今後どうなる?

介護ロボットを導入し、介護負担が軽減されれば人材不足が解消され、結果として介護サービスの質の向上が見込まれます。また人件費が削減され、自立支援により要支援・要介護度が改善されれば、介護サービス利用料を今より安く抑えることにもつながるでしょう。

そのためには操作性が良く、現場が本当に必要としている介護ロボットを、安価にかつ大量に生産する必要があります。さらに導入後の効果を公表したり、広告活動を行うなど、介護ロボットの良さを広く知らせることが不可欠です。

2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」でも「自立支援の促進」は重要課題と定義されています。主な取り組みとして2018年度の介護報酬改定では、効果のある自立支援について評価を行うと明記されています。
今後は国や介護ロボット開発を行う企業や団体だけが努力するのではなく、介護施設や介護従事者も介護ロボットの活用を前向きに検討していくことが求められます

参考:介護ロボット普及推進事業
介護ロボットポータルサイト
経済産業省|我が国のロボット介護機器に関する施策について
「介護ロボットに関する特別世論調査」の概要
経済産業省|ロボット介護機器開発・標準化事業
未来投資戦略2017

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