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掲載希望スクール様はこちらケア資格ナビ> ケアマネジャーガイド> 「ケアマネ」「介護福祉士」「社会福祉士」それぞれの違いは?
「ケアマネージャー」*、「介護福祉士」「社会福祉士」は介護福祉業界で活躍している職種ですが、それぞれの違いがはっきりとわからない方も多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、3つの職種の違いを仕事内容や資格の内容などからご紹介していきます。
ケアマネと介護福祉士、社会福祉士はそれぞれ担っている役割が違います。
ケアマネと社会福祉士は、日常生活に困っている人たちが問題を解決できるように、解決策の提案や手配をしていく役割を担います。
介護福祉士はケアマネが用意したケアプラン(介護計画)をもとに、施設などで高齢者に実際に介護をする役割を担います。
職種 | 役割 |
---|---|
ケアマネ | 介護を必要としているへ解決策の提案や手配 |
社会福祉士 | 日常生活に困っている人へ解決策の提案や手配 |
介護福祉士 | 高齢者を実際に介護 |
次項からそれぞれの仕事の違いをはじめ、資格の違いや給料の違いまで、くわしく見ていきましょう。
まずはケアマネと介護福祉士の違いから見ていきましょう。
ケアマネは介護サービスの利用を希望する高齢者へ
などを行います。
適切な介護サービスを受けられるように、高齢者やその家族から状況や希望をヒアリングし、施設や訪問介護事業所などに連絡、調整を進めていきます。
対して介護福祉士は、介護の現場で高齢者への身体介助や生活援助を行います。
ケアマネが作成したケアプランに基づいて、高齢者に介護サービスを実施していきます。
介護福祉士でも訪問介護事業所のサービス提供責任者として働く場合は、訪問介護計画書の作成などの事務的な仕事を行うこともありますが、基本的には現場での介護がメインとなります。
という違いがあります。
ケアマネは5年以上の実務経験を積んで、主任介護支援専門員研修を受講することにより、「主任ケアマネ」になることができます。
2021年度から、居宅介護支援事業所の管理者の要件が原則として主任ケアマネに限定されたことから、ニーズが高まっている資格です(要件の猶予期間あり)。
介護福祉士は介護職員のリーダーとしての役割も担えるほか、訪問介護事業所のサービス提供責任者になることもできます。
介護需要が増え続け、介護ニーズが多様化するなか、高いスキルの証明となる介護福祉士資格を持った人材は、ますます求められるようになっています。
ケアマネ試験の受験資格は、法定資格の業務に5年かつ900日以上従事していることが必要です。
介護の仕事をしている人の場合は介護福祉士を取得し、実務経験を積んでケアマネを目指す形が自然なステップアップルートとなっています。
介護福祉士の受験資格を得るにはいくつかルートがあります。介護業界で働いている場合は、3年以上の実務経験と実務者研修の修了で受験資格を得られます。
ケアマネと介護福祉士は給与に違いがあります。厚生労働省の資料をもとに確認しましょう。
資格 | 給与 | 平均勤続年数 |
---|---|---|
ケアマネージャー | 362,290円 | 13年 |
介護福祉士 | 328,720円 | 9.5年 |
※平均給与額は基本給+手当+一時金(賞与等を月割した額)が含まれたものです。処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所の給与となります。
出典:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」182ページ
ケアマネと介護福祉士では、月額にして38,000円以上の違いがあります。年収ですと450,000円以上ケアマネが高いようです。
次に、ケアマネと社会福祉士の違いを見ていきましょう。
ケアマネと社会福祉士はどちらも相談援助業務が仕事のメインになりますが、サポートする対象の広さが違います。
ケアマネは介護サービスを必要とする高齢者を対象としており、社会福祉士は困っている人全般を対象とします。
ケアマネはおもに、高齢者一人ひとりが自分に合った介護サービスを適切に受けられるよう、関係する機関と調整を行っていきます。
介護サービスの利用によって、日常生活を快適に過ごせているかどうかを確認するモニタリングも継続的に行います。
社会福祉士は「高齢者」「児童」「ひとり家族」「障がいのある人」「DV家庭」「低所得者」など、日常生活に困難が生じている幅広い人を対象とします。虐待や権利擁護の問題など、さまざまな理由で困っている人に解決策を講じます。
介護予防教室などの運営もあり、地域の団体や公的機関と連携を図ることもあります。
ケアマネは都道府県の認定による公的資格で、5年ごとに更新が必要です。
社会福祉士は国家資格で更新制度はありません。
ケアマネの試験を受けるためには、法定資格や相談援助の業務に5年かつ900日以上従事していなければなりませんが、福祉系大学卒業などの要件はありません。
社会福祉士の受験資格はいくつかありますが、福祉系大学等(4年)の指定科目を履修して卒業することが一般的です。
福祉系大学や短大で基礎科目のみの履修で卒業した場合には、相談援助業務に従事した上、短期養成施設や一般養成施設等の課程を修了することが必要です。
他にも受験資格が複数ありますので、くわしく知りたい人は以下のページを確認してみてください。
ケアマネと社会福祉士の給料の違いを、厚生労働省の資料をもとに確認しましょう。
資格 | 給与 | 平均勤続年数 |
---|---|---|
ケアマネージャー | 362,290円 | 13年 |
社会福祉士 | 363,480円 | 8.9年 |
ケアマネと社会福祉士の給料は大きくは変わりませんが、ややケアマネが高くなっているようです。
ここまで違いをくわしく見てきましたので、こちらでは共通点を整理してみましょう。
介護福祉士は高齢者に直接介護を行いますが、ケアマネと社会福祉士の業務は共通点が多く、どちらもおもに相談援助や各機関との連絡調整を行います。
支援計画の作成などのデスクワークや窓口対応のほか、サービスを利用している人を定期的に訪問したり相談に乗ったりするところも同じです。
介護福祉士もサービス提供責任者として働く人の場合は、介護計画書を作成する人もいます。
ケアマネ、介護福祉士はおもに高齢者を対象にサポートし、社会福祉士は高齢者のほか、日常生活に支障をきたしているあらゆる人を対象とします。
ケアマネは公的資格で国家資格ではありませんが、介護福祉士と社会福祉士は国家資格です。
ケアマネージャーは更新が必要ですが、介護福祉士と社会福祉士は更新制度がありません。
生活相談員の資格要件に社会福祉士はありますが、ケアマネや介護福祉士は入っていません。
ただし、都道府県によってはケアマネや介護福祉士が要件に含まれていることもあります。
ケアマネ | 介護福祉士 | 社会福祉士 | |
---|---|---|---|
資格種別 | 公的資格 | 国家資格 | 国家資格 |
資格の更新 | あり | なし | なし |
サポート対象 | おもに高齢者 | おもに高齢者 | 日常生活に支障のあるあらゆる人 |
おもな仕事内容 | 相談援助業務 | 身体介護・生活援助など | 相談援助業務 |
おもな活躍の場所 |
|
|
|
生活相談員の要件 | △ | △ | 〇 |
平均給与月額 | 362,290円 | 328,720円 | 363,480円 |
サービス提供責任者について詳しく知りたい人はこちら
>>
生活相談員について詳しく知りたい人はこちら>>
ケアマネ・介護福祉士・社会福祉士は、それぞれ年に1回試験が実施されます。
ケアマネ | 介護福祉士 | 社会福祉士 | |
---|---|---|---|
試験日 | 例年10月 | 例年1月 | 例年2月 |
合格率*1 | 23.3% | 72.3% | 31.1% |
取得までの最短期間*2 | 8年9カ月 | 3年 | 4年 |
受験要件 | 指定の国家資格の所持とその資格の5年以上の実務経験 | 実務者研修の修了と実務経験3年 | 大学・短大・養成施設の卒業など |
*1 2021年度の合格率
*2 無資格の人が資格を得られるまでの最短期間。
ケアマネは試験を受験するために、まずは指定の国家資格を取得する必要があります。そのため取得期間が長くなっています。
介護福祉士は、どなたでも受講可能な実務者研修の修了と3年の実務経験で受験が可能です。
社会福祉士の受験ルートは複数ありますが、大学や短大、養成施設の卒業が受験要件になります。
それぞれの合格率を見てみると、ケアマネが一番低い合格率となっており、難易度は高いといえます。
ケアマネと比べると社会福祉士の合格率はやや高いものの、大学や短大卒業などの要件があるため、ケアマネと比較して難易度が低いとは一概にはいえないでしょう。
ケアマネや社会福祉士と比べて合格率が大幅に高いのは介護福祉士です。介護福祉士は要件や取得期間、合格率のどの点を見ても3つの中で一番取り組みやすい資格となっています。
ケアマネ・介護福祉士・社会福祉士として活躍していくなかで、さらにスキルアップすることも可能です。
例えば介護福祉士として介護現場で働いていたとしても、年齢とともに介護業務がつらくなることもあるかもしれません。
そんなときにケアマネの資格を取って、働き方の選択肢を増やすこともできます。
先にもお伝えしているように、介護福祉士はケアマネ試験の受験要件のひとつですので、ケアマネをスムーズに目指すことができます。
ケアマネにキャリアアップすることは、給与アップにもつながります。
ケアマネとして働いていて、もっと幅広い業務を行いたいと思った人は、社会福祉士の資格の取得を目指すこともできます。
ケアマネの業務は社会福祉士の受験資格の1つである「相談援助業務」に値しますので、目指しやすいといえます。
社会福祉士の資格を持っている人が、ケアマネの資格を取得するケースもあります。
普段から介護サービス事業所などで社会福祉士として仕事をしている人は、ケアマネ試験に頻出する内容と共通する業務を行っていることが多いため、ケアマネ試験の受験対策にスムーズに入れるでしょう。
3つの資格の違いをくわしく見て、どの資格を目指すのか迷った方もいるのではないでしょうか。
選ぶポイントをご紹介しますので、参考にしてください。
現場で直接高齢者などをサポートするよりも、相談を受けたり調整業務を行いたい人は、ケアマネや社会福祉士が良いでしょう。
この2つの資格はその他の仕事も共通する点も多いため、どちらの資格を目指すのかは高齢者をサポートしたいのか、幅広い相手をサポートしたいのかによって決まってきます。
どちらの仕事も相談や連絡業務が多くなりますので、コミュニケーション能力やマネジメント能力は必要といえます。
高齢者に直接関わりながら介護をしたい人には、介護福祉士がおすすめです。
身体介護は体力を要することもありますので、体を動かすのが好きな人は向いているでしょう。人の間に入って連絡や調整をするよりは現場で身体を動かしたい人や介護現場でリーダーを目指したい人に向いています。
「ケアマネージャー」「介護福祉士」「社会福祉士」の違いが気になった方は、介護業界の仕事に興味がある人ではないでしょうか。
それぞれ資格や仕事に特徴や違いがありますが、どの職種も介護業界で需要の高い職種です。あなたのやりたいことや向き不向きで、目指す資格を決めると良いでしょう。
あなたがもし介護業界で相談援助の仕事をしたいなら、ケアマネはおすすめといえます。
ケアマネは介護保険サービスを専門に扱い、高齢者やその家族に深くかかわる仕事でやりがいも大きい仕事です。
介護を受けたい高齢者やその家族にとって必要不可欠な存在で、つねに求められている職種です。
簡単に取得できる資格ではありませんが、志のある方はぜひケアマネを目指してみてはいかがでしょうか。
* 「ケアマネージャー」の表記について:厚労省や地方自治体による文書では「ケアマネジャー」が正式な表記とされていますが、当サイトでは、現在一般的に使用されていることから「ケアマネージャー」を使用しております。