ケア資格ナビ> 介護職員初任者研修ガイド> 介護職員初任者研修の通信講座 通信だけで取れるの?
※表示の最安講座・最短期間はこのサイトで紹介している一例であり、地域・コースによって差があります。
※タイミングにより最安講座の募集が終了している場合があります。
結論から言うと、通信学習だけで初任者研修の資格を取得することはできません。
なぜならば、厚生労働省が定める「介護員養成研修の取扱細則について」において、通信学習は科目ごとの上限を超えない範囲で、最大合計40.5時間まで実施できると限定されているためです。
初任者研修の受講時間は合計で130時間となっていますので、少なくとも残りの89.5時間は、必ず通学講座で受講しなければならないことがわかります。
初任者研修の講座を探すと、「通信講座」と「通学講座」が出てきますが、通信講座と表記されていたとしても、上記の理由から通学する期間が必ずあるため、実際には通信と通学の併用制講座になります。
初任者研修は130時間の研修を受講する必要があります。
通信講座では各科目の上限まで、最大40.5時間を自宅で学習でき(添削課題あり)、15日程度スクールに通うことで資格を取得できます。
項目 | 総学習時間 | 通信学習可能な上限時間 |
---|---|---|
1. 職務の理解 | 6時間 | ― |
2. 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 | 7.5時間 |
3. 介護の基本 | 6時間 | 3時間 |
4. 介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 9時間 | 7.5時間 |
5. 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 | 3時間 |
6. 老化の理解 | 6時間 | 3時間 |
7. 認知症の理解 | 6時間 | 3時間 |
8. 障害の理解 | 3時間 | 1.5時間 |
9. こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 | 12時間 |
10. 振り返り | 4時間 | ― |
合計 | 130時間 | 40.5時間 |
自宅学習とスクーリング(通学)がスムーズに進めば、最短1カ月で取得可能なコースもあります。
スクーリングのスケジュールは週に1~4回程度で日程も事前に決められています。
自分のライフスタイルに合わせて
などの中から選びます。
通信講座は、1日6~7時間程度のスクーリングに通う傍ら、自宅で所定のテキストを使って学習を進めます。自宅学習では3~5回程度のレポート課題を提出するのが一般的です。
カリキュラムの最後にスクールで修了試験が行われ、合格すると初任者研修の資格を取得できます。
通信学習は、受講者の負担を軽減するために設定されたもので、カリキュラムに差はなく、学ぶ内容は基本的に同じです。
ただし、スクーリングの日数には違いがあり、通信講座(通信・通学の併用制)は通学講座(完全通学制)よりもスクールに通う日数が短く済みます。
通学講座がすべて決められた日程で学習を進めるのに対し、通信講座は自分のペースで好きな時間に学習を進められる部分があり、仕事や家庭の都合などでまとまった時間が取りにくい人に人気です。
通う日数は通学講座の場合で22日程度、通信講座の場合で15日程度になります。
通信講座の方が7日間程度、通う日数が短くなります。
厚生労働省が定めた学習内容には、衣服の着脱や体位変換、車いすへの移乗などの実技演習や講義後のグループワークが含まれ、通学することが必須となる科目があります。
2013年に廃止となったホームヘルパー2級講座では、実習として約5日間(30時間)の施設実習・デイサービス実習・訪問介護実習を行っていましたが、初任者研修では現場実習が廃止となり、通学する講義や演習科目が増えました。
スクーリングでは以下のようなことを習得していきます。
介護職員初任者研修のカリキュラムについて詳しく知りたい人はこちら>>
初任者研修の通信講座を修了すると、通学講座の修了者と同様に介護の知識とスキルが身に付きます。研修修了者は、日常生活を送ることが困難な高齢者や障がい者など、介護を必要とする人の手助けができます。
資格の学習で介護方法を理論的に学んでいますので、仕事をスムーズにはじめられます。
仕事内容はおもに食事・排泄・衣類着脱・入浴・体位変換などの「身体介護」と、掃除・洗濯・調理・買い物などの「生活援助」などになります。
日常生活に関する相談やアドバイスなどの精神面のケアも、充実した生活をサポートする意味で重要な仕事です。
介護施設の場合、初任者研修の資格がなくても就職はできますが、身体介護は有資格者が中心となって行うことが多くなります。
初任者研修の通信講座は自宅学習とスクーリングの併用タイプです。無理なく学習が進められるように、以下のポイントを確認しておきましょう。
通信講座でも15日程度はスクーリングがありますので、通いやすい場所かどうかを確認しておきましょう。
スクーリングの日程は各スクールで決められており、一週間に通う回数などによってコースが分かれています。自分のライフスタイルに合ったコースを選ぶと無理がありません。
通信講座は自宅学習時間が40時間以上あります。わからないことがあったときに、すぐに確認できるようなサポート体制がスクールにあるかどうかを確認しておきましょう。
初任者研修はスクーリングと同時に自宅学習を進めます。自宅学習が遅れないように、自分が日々どの程度自宅学習時間を確保できるのか確認しておきましょう。自宅学習時間も考えてコースを選ぶと良いでしょう。
通信講座が気になる人の中には「できればすべての科目を通信で受講したかった」と思う人もいるかもしれません。しかし、スクーリングにはメリットもたくさんあります。
介護の仕事につくために前向きに取り組んでいても、忙しい中で通信講座を一人でこなしているとモチベーションが下がってくることもあります。スクーリングがあることで、同じ志を持った仲間から刺激をもらったり、励まし合いながら学ぶことができ、初心を保ちながら取り組むことができます。
ほとんどのスクールが駅から近く、アクセスが良好です。駅から離れていても駐車場完備や送迎バスがあるスクールもあります。また、スクール講座は夜間コースや土日、平日コースなど複数のコースがあり、出席できない日があっても無料で振替できるスクールもあります。
資格がない人でも介護施設の介護職員として働くことはできます。調理や送迎車両の運転手の仕事もできます。ただし一人で利用者の自宅を訪れる訪問介護員など、法律で資格の取得が義務付けられている仕事の場合、無資格ではできません。
くわしくは介護現場で無資格でできること、できないことをご覧ください。
初任者研修は有効期限や更新の必要もないので、一度取得すればずっと介護業務を行うことができます。介護職として働きたいのであれば、初任者研修は最初に取得したい資格といえます。
通信講座は自宅学習もあり自分の空いた時間に進められますので、働いている人や子育て中の人も無理なく受講できます。
初任者研修には厚生労働大臣が指定する教育訓練給付金対象講座があります。受講者が一定の条件を満たした場合、受講にかかる費用の一部がハローワークから支給されます。通信講座の中にも対象となる講座はありますので、受給資格の有無や気になる講座が対象の講座であるかを確認してみることをおすすめします。
初任者研修は通信学習のみでは取得できませんが、自宅学習を併用できる資格です。
就職の際にも間違いなく役に立ち受講のメリットも多い資格ですので、介護業界で働くならぜひ取得を目指しましょう。