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掲載希望スクール様はこちらケア資格ナビ> 心理カウンセラーガイド> カウンセラーになるために…知っておきたい3大カウンセリング手法
「心理カウンセリングの歴史と役割」でも触れたように、心理カウンセリングは心理学ととても深いかかわりがあります。現在大変多くのカウンセリング手法が存在するのは、その基となる心理学を生んだ心理学者たちが数多く存在した結果と言えるでしょう。そんな数多くあるカウンセリングの中からここでは代表的な3つの手法をご紹介していきます。
この療法は、話をしながらクライエントの感情や思いを発してもらい、カウンセラーは相手の発言を傾聴し、すべて肯定、共感、受容していきます。 これを続けるうちにクライエントは緊張が解け、 自らを受け入れて、理解することができるようになります。さらに自分自身についての新たな発見や気付きが生まれ、人格が再構築されることにより、行動や気持ちに変化が起こっていくと言われています。
この手法は感情の表現が苦手な人には不向きで、またカウンセリングの終了までに時間がかかるというデメリットがあります。
現在欧米ではカウンセラーが事前に集めた資料や、カウンセリングで得た情報を基にして、来談者に適切な指示や提案を行う、指示的カウンセリングが主流となっています。この手法は短時間での効果が期待できますが、その分豊富な知識と技術が必要とされます。
この療法は、フロイトの提唱した「精神分析理論」を基に行います。人の「無意識」の部分に注目し、自身の抱える過去のトラウマに気づき、受け入れることで心を落ち着かせる療法です。「自分では忘れてしまっているようなトラウマ」を持つ場合などに効果があると言われています。
精神分析の理論は非常に複雑であり、その知識を習得し、カウンセリングに活用できるようになるまでには時間がかかります。 治療の期間も長期に渡るためクライエントの費用がかさむ、またカウンセリングで見つけたトラウマが実際に心の病気の原因であるかの判断が難しいなどの問題もあります。
この療法は行動理論に基づき、恐怖症などの心の問題や社会生活を送る困難さを、行動を変えることによって改善していきます。
「行動理論」は「学習理論」とも呼ばれ、不適応な行動や反応をとってしまうのは、誤った学習や条件付けの結果ととらえ、適切な行動を学習することによって、不適応な行動を抑えることを目的としています。
現在は行動療法だけでなく、クライエントの認知(判断や解釈などの考え方)とも結び付けて治療を行う「認知行動療法」が人気で、研究が進められています。
例えば恐怖症を克服する場合、クライエントはその対象に慣れていく必要があるため、恐怖の対象に直面する機会が増えます。慣れるまでは努力が欠かせず、クライアントによっては負担の大きい治療になってしまうことがあります。
ここまで3つのカウンセリングについて説明しましたが、それぞれに特徴があり、メリットとデメリットがあります。
折衷的カウンセリングはひとつの手法のみに限定せず、クライエントに合わせて
複数の理論や手法を用いて一人ひとりに応じた治療をしていく療法です。
さまざまな手法を用いる折衷的カウンセリングを行うにためは、多くの知識や技術が必要となります。また、軸となる理論や手法を定めていない場合、カウンセラー自身が混乱してしまうことで良い治療ができなくなる恐れもあります。
まずはいろいろな理論や手法を知ったうえで、自分の考え方に近いものを深く学習していくことが、自分が目指すカウンセラーになるための近道と言えるでしょう。