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掲載希望スクール様はこちらケア資格ナビ> 特集記事> 心も体も元気になる「化粧療法」って何?
化粧は肌をきれいに見せる、目を大きく見せる、小顔に見せるなど、コンプレックスを改善したり、自信のある部分を強調したりするアイテムです。化粧をするといつもと違う自分に心の変化を感じ、気分が上向きになったり、自信を持つようになったりします。
化粧療法はメイクセラピーやコスメティックセラピーとも呼ばれており、高齢者や、病気やケガなどが原因で心に問題を抱えている人に対して行われます。まずは会話などでコミュニケーションをはかりながら、スキンケア・化粧などのスキンシップを行い、対象者がリラックスした状態を作り出します。そして悩みなどを持った対象者が化粧を施すことで、自信や積極性などを持てるようになることを目的としています。 また継続して化粧をすることにより QOL(生活の質)の維持・向上を目指します。
化粧療法は年齢、健康状態を問わないため、興味さえあれば、どなたでも取り入れることができます。近年では特に医療福祉分野での活用が期待されています。
医療機関などで行われる化粧療法は、心理療法の一環として精神疾患のある人や認知症の人、がん患者などを対象に行われています。病気が原因で落ち込みがちになってしまった心に活力を与える役割を果たします。
病気による皮膚の変色やあざ、怪我による傷跡や火傷、加齢によるシミやそばかすなど、あらゆるトラブルをカバーし、目立たなくすることで、ストレスやコンプレックスを軽減し、明るく過ごせるように支援します。
化粧療法については化粧品会社、心理学研究者、介護関係者など多くの人が研究や実験を行い、結果を発表しています。それらから導き出された化粧療法のメリットとはどんなものでしょうか?
気持ちが前向きに
「スキンケアを丁寧に行う」「化粧を毎日する」という人は、「スキンケアを簡単に済ませてしまう」「化粧は時々しかしない」という人よりも生きがいや幸せを感じる人が多い傾向があります。*1 また高齢女性に限っては化粧をよくする人ほど外出頻度が高くなっており*2、化粧は生きがいの向上やコミュニケーションの促進につながっていると言えます。
脳が活性化
化粧は視覚・聴覚・嗅覚・触覚を刺激します。また化粧前より化粧後の方が脳の血流が高まり、脳波も正常なパターンに近づくと言われています。化粧療法を継続した群は継続しなかった群に比べ、3カ月後の認知機能の低下が抑制されたこともあり、化粧による認知症の症状軽減も期待されています。*1
ストレスホルモンが減少
化粧前と化粧後の唾液を採取して調べた結果、ストレスを受けると増加するコルチゾ-ルの濃度が減少していたため、ストレス軽減につながることが分かっています。*3
活性酸素の増加を防ぐ酵素の活性上昇
近年、老化の原因の1つが活性酸素の増加であると注目されていますが、化粧前と化粧後の唾液チェックで、活性酸素を抑える機能に役立つカタラーゼとSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)の活性上昇が確認されました。*3
身体機能のアップ
毎日化粧をすることで握力や筋力が向上し、化粧療法を実施した人はADL自立度評価レベルが改善し、食事やトイレ、移乗などの際にかかる介護負担が軽減したとの実験結果もあります。*1
口腔機能がアップ
唾液分泌量が低下すると、嚥下障害・咀嚼障害・発音障害などさまざまな障害が起こりやすくなりますが、化粧療法を約50分間実施したところ、唾液分泌量が増加しました。また化粧療法を継続することで嚥下回数や嚥下反射に関わる神経伝達物質が増加し、発語機能の向上が見られました。*1
健康寿命とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。心身ともに自立した状態が長く続けば、医療費や介護費の増加防止にもつながります。厚生労働省では、健康寿命を延ばすためにスマートライフプロジェクトを促進し「毎日10分の運動」「1日プラス100gの野菜」「禁煙の促進」などを呼び掛けています。
化粧療法は悩んでいる人や病気にかかっている人はもちろん、健康な人にも日々の生活にスパイスを与えてくれる手段です。化粧を生活の中に取り入れることは、精神の安定や運動機能の維持に貢献します。日ごろからストレスのない生活を心がけて、健康寿命も延ばしていきたいものです。