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薬の副作用や誤飲事故につながるポリファーマシー

Poripharmacy

高齢者の多くは、加齢とともに複数の疾患を持つようになります。高血圧、糖尿病、精神疾患など、その種類はさまざま。そのために複数の医療機関にかかると、その分だけ薬の量も増えていきます。家族や施設の介護職員は、薬の管理や飲み間違い防止に注意を払っていますが、量が多いと管理にも負担がかかってしまいます。こういった不適切な処方状態になることを、「ポリファーマシー」といいます。

ポリファーマシーになると、管理困難のほか、副作用や誤飲事故が増加する心配もあります。日本老年医学会では、6剤以上の投与は薬物有害事象の危険性が高くなることが報告されています。また、高齢者の体質の虚弱化の原因になっていることもあるそうです。

ポリファーマシーにならないために

ポリファーマシーを解消する手段として、減薬が挙げられます。必要以上の薬の処方を減らすことで、高齢者の家族や介護職員はもとより、高齢者自身の負担も少なくなります。今、いくつかの高齢者施設や訪問介護の事業所では、減薬への取り組みを進めています。
たとえばある施設では、食用の成分で作ったプラセボ(偽薬)を使用したところ、症状を訴えていた利用者が薬を飲んだ安心感で症状の改善を感じるという効果がありました。プラセボは、頭痛や不眠を訴えて薬を飲みたがったり、薬を飲んだことを忘れてしまったりする高齢者において、本物の薬を使いたくないときに使用することで減薬につながります。また、ある利用者には漢方薬やサプリメントでの代替治療で依存性の強い向精神薬の断薬に踏み切ると、問題行動の改善や表情が豊かになる変化などが見られたそうです。

しかし、症状が加齢からくるものなのか、薬の飲みすぎによるものなのか、という判断が難しいため、減薬は簡単ではありません。症状が悪化しているために、減薬に挑戦しづらいケースもあります。

ポリファーマシーをなくしていくにあたって、薬剤師をはじめ、リハビリ専門職や栄養士など多職種が協力しあうことが大切です。地域の高齢者に働きかけ、施設の声を聞き、適切な医療を目指していくことが今後も注目されそうです。

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